
だが「赤羽ふじ屋」の真価は、モツにある。それを堪能できるのが、「本日の肉刺し・盛り合わせ」。
日替わりの3種盛り合わせで、取材当日は左から「ガツ」「ハツ」「コブクロ」。
低温調理で火を通しているが、食感は限りなく生に近い。
鮮度のよさが、透明感のある断面からも伝わってくる。かむと「清らか」という言葉が頭に浮かぶみずみずしい食感。
臭みが全くなく、「モツってこんなに香りがいいものなのか」と驚く。モツ好きはもちろん、モツが苦手な人も一度味わってほしい一皿だ。
オーナーの小柳津さんがこの店を始めるもうひとつのきっかけとなったのが、ある店で衝撃的においしいモツ煮込みに出合ったこと。
その味を求めていろいろな食肉場を訪ねたり、試作を重ねたりして、2年ほどかけてやっと満足のいくものを完成させたとのこと。

それがこの「もつ煮込み」。新鮮な内臓をかたまりで買って店内で解体し、何度も水を替えてていねいにゆでこぼした後、圧力釜で軟らかくなるまで煮込んでいる。
10部位以上のモツを使用し、毎日つぎ足し続けている汁はコクがある。赤味噌と白味噌がさらにそのコクを引き立てている。
この汁でモツといっしょに煮込んで味がしみ込んだ「玉子」「じゃがいも」「豆腐」は数量限定なので、早めにオーダーしておきたい。
こってり濃厚なこの汁を、ごはんにかけて食べてみたいと思っていたら…。なんと「もつ煮込みご飯 カレー風」というメニューがあり、シメに人気なのだとか。