キャリアの棚卸しと新たな挑戦が可能性を広げる
──最後に、これからのキャリアについて考えているビジネスパーソンにメッセージをお願いします。
「人材は社会のものであって、会社のものではない。そういう機運が高まっていると思います。1回入社したらそれで終わりではなく、転職はネガティブなことではなくなっています。リモートワークによって場所や時間の制約も少なくなっていますし、副業が広がる中で『所属』の制約も少しずつ弱まっている。また、今回私が公募で副市長に就任したように、新しいチャンスも開かれています。自分らしいキャリアを実現しやすい世の中になってきていると感じます」
「その中で大切なのは、キャリアの棚卸しと、新しいチャレンジをしてみることだと思います。多様な選択肢から自分に合った選択をするには、自分の中の『ぶれない軸』を明確にすることが重要です」
──具体的には、何から始めればいいでしょうか。
「自身のキャリアを振り返りながら、どんなことを大切にしていて、何が好き、得意なのかを可視化することが有効です。例えば転職サイトに登録して、フォーマットに沿って職務経歴書などを書いてみると、キャリアを俯瞰(ふかん)する良い機会になるはずです」
「その上で、少しでも新しいことにチャレンジしてみる。いきなり転職など大きな変化を起こすことに抵抗があるなら、副業やボランティア活動から始めてもいいと思います。プロボノ活動を機に掛川市との縁ができた私のように、将来のキャリアチェンジのきっかけになるかもしれません。そこまで大きな挑戦でなくても、読む本を変える、オンラインで気になる人の話を聞いてみるなど、少し行動を変えるだけで変化は生まれます。自分らしく充実した仕事人生に近づけるよう、まず一歩、踏み出してみてはいかがでしょうか」