転職時の年収交渉 今の年収を高めに伝えるのは反則?日経転職版 大卒年収調査(下) 

日経転職版の年収調査では、年齢、役職、居住地、業種、職種別に年収を算出し、2回に分けて紹介してきました。今回は転職活動中に年収を上げるための交渉などについて、日経HRのキャリアコンサルタント、中島秀雄さんに話を聞きました。転職希望先の採用担当者や転職エージェントと年収交渉をする際の参考にしてください。(第1回記事「大卒年収30歳男性で557万円 本部長で1000万円超も」、第2回記事「年収1位、業種では金融系の828万円 職種で見ると」)

年収交渉の際には納得感のある理由を準備

――そもそも、転職の際に年収交渉をしてもいいのでしょうか。お金だけが目的かと思われてしまって選考で不利にならないか心配です。

もちろん年収交渉はしてもいいです。ただ、何の根拠もなく、「年収を上げたい」というだけでは悪い印象を持たれてしまう可能性はあります。「なぜ年収を上げたいのか」という納得感のある理由を用意することが重要です。例えば、「子どもの教育費に年間100万円、ローンの返済に年間200万円」といった内容です。何の準備もないまま転職希望先の採用担当者と年収交渉するのではなく、転職エージェントに相談しながら慎重に進めるのがいいでしょう。

――年収交渉はいつすればいいのでしょうか。

一般的には最終選考が合格となり、採用労働条件を通知される前後に年収交渉を行います。ただし、年収アップが転職の最大の目的であるのなら、選考の初期段階からその点をはっきりと伝えておいたほうがいいでしょう。

転職エージェントにどこまで本音を明かすかに悩む人も(写真はイメージ) =PIXTA

――入社後の年収は希望通りになるのでしょうか。

必ずしも希望年収通りには提示されません。年齢や社会人経験年数により給与を決める企業もあるからです。また、面接など選考での評価によって提示される年収や役職が変わる場合もあります。

ただ、リクルートエージェントが発表した「2021年10-12月期 転職時の賃金変動状況」によると、前職と比べて賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合が31.5%と、過去最高値を更新したということです。転職によって年収が上がりやすい環境にあるとは言えるでしょう。

――転職後の年収を引き上げるために、現年収を高めに伝えても大丈夫でしょうか。

残念ながら、ばれます。入社時に源泉徴収票などを提出する必要があるので、最終的にはわかってしまいます。虚偽の報告をしたという理由で内定が取り消しになることもありえますから、正直に申告してください。

――でも、現年収が低すぎると不利にならないでしょうか。

業界にもよるので一概には言えませんが、不利になることはないと思いますよ。あくまでも、転職先の給与制度に従って年収は決まります。普通の企業であれば、前職の年収が低いからといって、転職先の社員に比べて低い年収を設定することはないでしょう。

――希望年収の決め方に「現年収のプラス10%以内が望ましい」といったルールはあるのでしょうか。

特に決め方のルールはありませんが、生活に必要な費用、またその業界・職種の平均年収などをもとに決めることをおすすめしています。上限などについては、業界やその人の現年収にもよるので、何%までといったことは言えません。

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