「変わり種まん」を累計500種類も

井村屋が最初に「カレーまん」を仕掛けたのは1977年。すると、翌78年にパン製造に強みを持つ山崎製パンが「ピザまん」を投入した。井村屋は79年に「ピザ肉まん」で追随。以後は70年代の終わり頃から、いろいろな味が開発されていくようになっていった。

井村屋の本社(津市)

「定番の肉まん・あんまんや、準定番となっていったカレーまん、ピザまんに加えて、市場を毎年調査して新しい味を作っていました。『テリヤキまん』『チョコまん』『焼き芋まん』など、これまでに累計で500種類を超える味を市場に出してきました」と花井氏は振り返る。

目先を変えて話題をつくり、新しい味を売り出して集客するという仕掛け方は、「プレミアムまん」と呼ばれる高級肉まん・あんまんが登場し始めた14年ごろまで続いたという。井村屋のまんじゅう関連商品はバブル期の1989年に69億円だった売上高が2014年には111億円と、6割以上も成長した。

「今もプレミアムまんをはじめとする高級志向が続いています」と花井氏。特にここ10年は「生地のおいしさ」が重視される傾向が強いという。さらに、店頭だけでなく、家庭でもプレミアム商品の需要が高まっているのが大きなトレンドだ。

プレミアム商品の「冷凍ゴールド肉まん」

井村屋にとって現在の主力商品は「ゴールド肉まん」「ゴールドあんまん」。生産設備から見直して、「生地を2段階で熟成発酵させることでうまみを高め、もっちりとしながら口溶けのよい生地に仕上げました。開発に3年かかりました」と花井氏は説明する。

冬の寒い日に、白いふわふわの肉まん・あんまんをほおばりながら、ホッとした思いをしたことのある人は多いだろう。スチーマー誕生から50年を迎えて、さらに多彩なバリエーションで、井村屋は指先と胃袋の両方から日本人を温め続ける。

(ライター 三河主門)