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高校・大学・社会人・日本代表でキャプテンを務めた廣瀬俊朗さん

高校・大学・社会人・日本代表でキャプテンを務めた廣瀬俊朗さん

人材の多様化が進む中、企業や組織のリーダーはどのようにチームをまとめていけば成果を上げられるのか。チームスポーツの経験者から学べることは少なくない。ラグビー選手として活躍し、大阪府立の名門・北野高校、慶応義塾大学、東芝、そしてラグビーの日本代表でいずれも主将を務めた廣瀬俊朗さん。世界に勝てるチームの基盤作りを担い、今は起業家の顔を持つ「主将のプロ」に理想のリーダー像などについて聞いた。

(聞き手はNIKKEI STYLEキャリア編集長 代慶達也)

あいさつは相手の国の言葉で

――今回の東京五輪・パラリンピックで気になるリーダーはいましたか。

「サッカーの吉田麻也選手ですね。(原則24歳以下のチームに3人まで加えられる)オーバーエイジの経験を生かしながら客観的にチームを捉えていたのではないか。監督としては女子バスケットボールのトム・ホーバスさん。強烈なキャラクターだったと聞くが、銀メダルまでとれたのは監督のリーダーシップがあったからではないか」

――最近は外国にルーツを持つ監督などグローバルチームが増えていますが、ラグビーは一歩先を進んでいました。リーダーの心構えや秘訣はありますか。

「一番大事にしたのは知らなかった人、知らない国の人たちが集まった時に『嫌やな』と思うか『うまくいったらおもろいかな』と思うかという一歩目のスタンスだった。もしかしたらワクワクするかもしれない、というマインドセットが大切だった」

――前回のラグビーW杯で日本代表約30人の半分ぐらいが外国ルーツでした。いろいろな人とどのようにコミュニケーションを取りましたか。

「通常の会話は英語を使うケースが多かったが、あいさつでは相手の国の言葉を使った。例えば『おはよう』の後に英語では(親しみを込めて)『ブラザー』と付け加えるが、トンガの人には『トコ』、サモアの人には『ウッス』と付けると相手は心を開いた。常にいい人間関係を作りたかったが、全部1人でやろうとすると難しい。リーチ・マイケルとかトンプソン・ルークとか10代から日本に来ている選手がいて助かった。海外のことも日本のこともよく知っている人が間にうまく入ってくれた」

何でもすぐに意見し合える場づくりを

――ラグビーではヘッドコーチ(HC)がマネジメントなら、主将はプレーイングマネジャー。チームをまとめていく過程で失敗したエピソードはありますか。

「選手同士で仲間割れしたようなことはないが、当時のエディー・ジョーンズHCと選手の間ではいろいろなことがあった。最初から負けを認めるような部分があったが、エディーさんにこっぴどく怒られて『そんなだからダメだ』とけちょんけちょんに言われた」

「エディーさんとの衝突は本当にたくさんあったが、『日本のラグビーを変え、憧れの存在にしたい』という思いは一緒だった。そして勝てなかったチームが勝つようになるには、マインドセットやプロセスを変えないといけなかった。その思いを感じると、きついし、しんどいけれど一緒に頑張ろうと思えた」

――エディーさんは世界に勝てなかった日本のラグビーを変えました。その名将から2012年に代表に呼ばれ、いきなり「キャプテンやってくれ」と言われたそうですね。

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