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東大院に在籍しながら、ゲオのビジネス改革に挑む矢口さん

東大院に在籍しながら、ゲオのビジネス改革に挑む矢口さん

東京大学大学院に在籍しながら、ゲオホールディングスの社長室秘書課で働く矢口太一さん(24)。高校時代の自由研究で内閣総理大臣賞を受賞して東大に推薦入学した異才は今、ゲオのビジネス変革に挑んでいる。社会人2年目の若手は、国内外に約2千店舗を持つ大手チェーンを本当に変えられるのか。

ゲオに初の東大卒異才、地方出身の苦学生

「暴れられそうだから」。東大工学部で機械工学を専攻した矢口さんは、21年4月にゲオホールディングスに入社した理由をこう語る。DVDレンタル店や「セカンドストリート」という中古品全般を取り扱うリユースチェーンを展開、売上高は3千億円を突破するが、新卒で東大出身者が入社するのは初めてだった。

矢口さんの出身は三重県伊勢市。「両親はいずれも高卒で、父親は工場を経営しているが、いつも自転車操業で貧乏生活だった」と振り返る。少年時代のあだ名は「セミ」。なぜセミが飛べるのか気になり、そのメカニズムを解明するため自由研究を開始。地元の公立高校に進学した後、日本学生科学賞で内閣総理大臣賞に輝いた。国際的な科学フェアにも出場して、東大に推薦入学した。

しかし、親は入学費用も出す余裕もなかった。同賞でもらった賞金を入学金に充てて上京。東大で研究にまい進しようと思ったが、都会で学生生活を続けることも厳しい状況に陥った。ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏が異才を支援する財団を創設することを偶然知り、財団1期生に選ばれ、なんとか中退の危機を免れた。

「父親は腕が確かな技術屋だが、商売は下手だった」と、自分の研究をビジネスに生かす道を探るため、多くの経営者を訪ねて回った。その1人がゲオホールディングスの遠藤結蔵社長だった。

同グループのセカンドストリートでは、古着やバッグ、家具、家電などの中古品を買い取り、販売する店舗を展開している。東大で「感性設計」を研究していた矢口さんは、「汚れが商品価値にどう影響するかを研究したい」と遠藤社長に提案、「面白いね」と言われ、やりとりを重ねた。

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