コロナ対応担う「ドクターX」 非常勤医を地域に紹介

MRTの小川社長

新型コロナウイルス禍に対応するワクチン接種や訪問診療で注目を集めたアルバイト医師。深刻な医師不足が続くなか、実際の医療現場は非常勤の医師が支えている。医師などの求人サービスを展開するMRT社長の小川智也さん(48)。上場企業の経営者でありながら、週末には非常勤の医師として活躍している。

「コロナ対応の医師が足りない。明日午前9時から勤務可能な医師募集」「ワクチン接種で医師募集。1日の給料○万円」。コロナ禍でMRTが運営する医師のアルバイト求人サイトの紹介件数が急増している。

登録医師は7万人 現場で活動する全国の臨床医の6~7割

東京や大阪など都市圏では今年に入り、自宅療養者を診る医師のニーズが増えたが、MRTのサイトで仲介した案件は少なくない。5月以降、ワクチン接種が本格化する中、全国の自治体から委託を受け、医師や看護師など医療従事者の紹介にもあたった。「医療崩壊」寸前となった大阪府からは自宅療養者緊急相談センターの業務を丸ごと受託するなど、自治体や医療機関に不可欠な存在となっている。

MRTに登録する医師は約7万人。「コロナ下で増加し、実際に現場で活躍している全国の臨床医の6~7割が登録していると思う」と小川さんは話す。看護師や薬剤師なども含めると、登録している医療従事者の数は28万人に達する。現在、MRTは大学の医局や各地の医師会とも連携し、医療機関や自治体、保健所をつなぐ医療従事者のプラットフォームとなっている。オンライン診療や医療機関の業務支援など各種サービスも始めている。

MRTは2000年に東京大学医学部付属病院の医師の互助組織を母体に設立された。日本の医療界は大学病院の医局が中心になって各地域の医療機関に医師を派遣し、医療体制を支えてきた。しかし、地方の医師不足が深刻化する一方で、医局からフリーになる医師も増え、地域の医療サービスを回すことが限界になった。

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