長く楽しめる現代の冒険

ボーダー・ルートは、今日では多くのカヌーイストを引きつけている。ナショナル ジオグラフィックの2014年のアドベンチャラー・オブ・ザ・イヤーで、このルートを何度も旅しているデイブ・フリーマン氏は、「ボーダー・ルートには長い湖があり、陸路も長いです」と言う。

ピジョン川のパートリッジ滝付近で、陸路カヌーを運ぶデイブ・フリーマン氏(PHOTOGRAPH BY BRYAN HANSEL)

冬や夏にこの湖や川を航行するには、技術と忍耐が必要だ。いくつかの湖は海のように広く、レイニー湖は900平方キロメートル、ラ・クロワ湖は120平方キロメートル、東端のサガナガ湖も50平方キロメートルある。

冬は凍りついた水面の隙間に落下することが最大のリスクになる。夏には湖面を吹き渡る風が危険な波を立てる。

「大きな湖では大きな波が立ち、特に風が強いときにはカヌーが浸水して沈むおそれがあります」と、デイブ氏の妻で、ボーダー・ルートを一緒に旅したことがあるエイミー・フリーマン氏は言う。「カヌーで行くなら、水温が高くて波が穏やかな7月がお勧めです」

バウンダリー・ウォーターズ・カヌー・エリア・ウィルダネス(B.W.C.A.W.)のすぐ近く、ピジョン川のパートリッジ滝からカヌーでこぎ出すフリーマン夫妻(PHOTOGRAPH BY BRYAN HANSEL)

ボーダー・ルートに正式な出発点はないが、ほとんどのカヌーイストは西風を利用するために西から東、つまり、スペリオル湖に向かって移動する。歴史ファンなら、1731年にヨーロッパ人の毛皮商がレイニー湖畔に築いたカナダのフォートフランシス付近からカヌーを出すかもしれない。国境を越えるのを避けるために、フォートフランシスから19キロメートル東に位置するボエジャーズ国立公園(米国ミネソタ州)内のレイニー湖ビジターセンターから出発する人もいる。

陸路を行く必要がある場所が多く、川らしい川はサガナガ湖とガンフリント湖を結ぶ長さ21キロメートルのグラナイト川しかない。グラナイト川を通過するとすぐに、標高481メートル、全長7.4キロメートルのハイト・オブ・ランド・ポーテッジとなり、ボーダー・ルートはローレンシア分水嶺を越え、水はスペリオル湖に向かって南下しはじめる。

ボーダー・ルートの終点はいつも同じだ。五大湖の中で最も大きいスペリオル湖の湖畔に出たところで、グランド・ポーテッジの終点でもある。

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