令和イタリアンブームの火付け役 銀座に堂々旗艦店

自家製手打ちパスタをはじめ「本物のイタリア」が味わえるイータリー銀座店

日本人の「イタリアン好き」は筋金入りだ。ピザやパスタは日本の食卓ですっかりなじみのものになっているし、イタリア料理店は家族経営の小さな店からミシュラン星付き店のリストランテまで日本全国に数え切れない。スーパーでは専用の売り場を作って様々な種類のパスタやソースを並べている。コンビニでは「ミートソース」ではなく本格的なボロネーゼスパゲティも24時間買える時代だ。

若い世代は知らないだろうが、日本では平成初期の「イタメシ」ブームに始まり、1990年ごろのティラミスやパンナコッタなどのスイーツ、2000年ごろにはイタリアの「スローフード」、10年ごろには地中海式ダイエット……と、だいたい10年ごとにイタリア料理が話題となってきた。

そして、新型コロナウイルス禍にあって、今またブームがやってきているようだ。昨年からイタリアをテーマにした新店が都心に続々とオープンしている。今回はその一つ、「EATALY(イータリー)銀座店」(経営主体:イータリー・アジア・パシフィック/東京・千代田)を紹介する。

日本における初の旗艦店として21年8月にオープンし話題に

イータリー銀座店は東京メトロ・銀座駅から徒歩2分、中央通りの巨大な複合施設、GINZA SIXの6階にある。緊急事態宣言の真っただ中の21年8月にオープンした。コロナ禍で銀座の中心地に出店、しかも約300席という大箱だ。メディアや飲食関係者の間では「銀座にでっかいイータリーができたの知ってる?」とちょっとした話題になっていた。

このニュースを聞いて、筆者は不思議に思った。「あれ、イータリーってずっと前からなかったっけ?」と。イータリーは原宿や丸の内、日本橋にもすでにあり、今回が初出店ではない。特に10年以上前、イータリーが代官山に出店したときのインパクトを強く覚えているのだが……。

「イタリアを本店として世界15カ国で展開していますが、あの代官山店はイータリーの海外進出1号店だったのです」(広報担当者)。その後、曲折を経て代官山店は閉店したが、イータリーは前述の通り日本国内で複数店舗を構え、ファンもついていた。しかし、日本で「旗艦店」と呼べる店がなかったのだ。

そんな折、ようやく昨年GINZA SIXとの縁があり、出店に至ったという。「昔から好きだったイータリーが銀座にきてくれた!」と歓喜する客もいたそうだ。