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「月刊ムー」の三上丈晴編集長

「月刊ムー」の三上丈晴編集長

UFO(未確認飛行物体)をはじめ、様々な超常現象や怪奇伝説など、謎と不思議を掘り下げる専門誌が「月刊ムー」(ワン・パブリッシング)だ。創刊から42年を数える今もぶれずに、多くのファン読者「ムー民」を引き寄せ続けている。しかし、その歴史や実態は意外に知られていない。おそるおそる「ムー」そのものの謎に迫ってみる。

正しくは「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリー・マガジン」という位置づけだ。昔から俗に「オカルト雑誌」という呼ばれ方をしてきたが、5代目の三上丈晴編集長は「オカルトという言葉は、宗教的な危ういイメージが付いてしまっているうえ、『ムー』の幅広いテーマ領域をカバーしていない点でふさわしくない」とみる。

濃い雑誌だ。最大の売り物は巻頭の「総力特集」。2021年11月号のテーマは「異星人と秘密結社の『シン・人類史』」と、追い続けている主要テーマの「異星人」と「秘密結社」がダブルで盛り込まれている。サブタイトルの「惑星ニビルの神々アヌンナキは、今も人類を監視している!!」に至っては、読み解きを助けるはずの副題なのに、ムー民ではない一般人にはほぼ初見と思われる固有名詞が2個もあり、かえって謎を深くしているかのようだ。

「ムー」は1979年の創刊当初は学習研究社(現学研ホールディングス)から創刊され、学研プラスを経て、今はワン・パブリッシングが発行している。「移ってきたばかり」と言う通り、同社は2020年の設立。学研プラスを会社分割する形で事業を承継した。

東京・上野のスタイリッシュなビル内にある編集部を訪ねると、雑誌のムードとは全く別物のクリーンで機能的なフロア。謎めいた雰囲気は全くなく、いささか拍子抜けした。三上編集長が差し出した名刺に書かれた所属部署も「メディアビジネス本部」と、いまどきの呼称で、超常のにおいはない。だが、実際にここから毎号、こってりとミステリアスな「ムー」が送り出されている。

「ムー」が一般誌と異なる点の一つに文字数がある。「とにかく字数が多い。しかもレイアウトがギュッと詰まっていて、見るからに小難しい顔つき」と、三上編集長はおどけ気味に話す。大量の文字を印刷するために文字サイズも小ぶりだ。

実際、ページをめくるたびに、「これでもか」とばかりに情報が詰め込まれていて、読み慣れない人はくたびれてしまいそうなほどだ。こんなに凝縮しないで、誌面をもっとゆったり使えば、ページ数が稼げそうにも思えてしまうが、「ムー」は「濃さが大事」と譲らない。過剰なまでに文字を詰め込むスタイル自体がムー民たちの「読み熱」を引き出す演出でもあるようだ。

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