一枚肉を焼いてから刻むのが米ハーレム風

「DAPS」には、ニューヨークで人気のコメ料理チキン・オーバー・ライスもメニューに並び、こちらも豪快な「肉料理」。マリネした鶏肉を鉄板で焼きターメリックライスにのせた屋台料理だ。

「DAPS」の「B-Side Chicken Over Rice(B-サイド・チキン・オーバー・ライス)」(ランチ時900円、ディナー時1000円)

「ダウンタウンでは、細かく引きさいた肉を使う店が多かったけれど、自分が住んでいたハーレムでは一枚肉を焼いてから小さく刻んだものを使っていた。この店でも同じスタイルで提供しています。うま味が閉じ込められて、一枚肉を使った方がおいしいでしょう。こうすると、ハーレムで食べていたのと同じ味になるんです」(宮本さん)。肉にかけるチリソースとホワイトソースは手作り。テークアウト用容器に盛られた料理からは、刺激たっぷりのスパイシーなチリソースの香りが立ち上った。

「米国では、サンドイッチでもチキン・オーバー・ライスでも、みんな自分流にカスタマイズします。チョップド・チーズ・サンドイッチにはレタスとトマトが入るけれど、それを抜いてとオーダーする人もいるし、チキン・オーバー・ライスではチリソースを抜いてくれとか、ホワイトソース多めになどと、みんな自分の好みがはっきりしている。日本でも、どんどんカスタマイズしてほしい」と宮本さん。

現地の様々な店で経験を積んだ宮本さん(撮影のためマスクを外してもらった)。音楽が好きで、ブラックミュージックの聖地ハーレムにどうしても住みたかったという

実は、メニューのカスタマイズよりまず「自分流」を促されるのが、「DAPS」のイートインスペースだ。同店にはテーブルや椅子がなく、店内にはまるで一種の公園のように、階段状にレンガが積まれている。好きな場所で、好きなように食べてくださいというわけで、初めて店に入った客は戸惑うに違いない。

ところが、座る場所を決めてみると、不思議にほっこりと落ち着く。内装を手掛けたのは、ある有名建築事務所に勤める宮本さんの友人で、ニューヨークで出会ったという。「地域の人たちが集まって楽しむような場所にもなるとうれしい」とは同店代表の平井雄輝さん。料理はもちろん、米国流の自由な空気感まで楽しみたい店だ。

ユニークな「DAPS」の店内。今年2月には、現地の老舗雑誌『ニューヨーク・マガジン』のウェブサイトで宮本さんが紹介された
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米フィラデルフィアのチーズステーキが看板