コロナ禍での巣ごもり消費をとらえる形で「ふるさと納税」の人気が高まっている。テレビで民間のふるさと納税サイトのCMを目にする機会も増えた。だが、「どう始めたらいいか分からない」「なぜお得といわれるの?」という方もいらっしゃるだろう。近づく年末は、各年のふるさと納税が「締め切り」となる時期。今ならまだ、2021年のふるさと納税ができる。仕組みや注意点を理解し、ビギナーが自分に合う楽しみ方で「参加」するにはどうしたらいいか。「イチから分かる『ふるさと納税』スタート講座」を3回にわたってお届けする。
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最終回となる今回は、ふるさと納税サイトにまつわることや確定申告、会社員なら使える可能性が大きい確定申告に準じた手続きなど、実際にあなたがふるさと納税をする際の注意点を取り上げる。少なくとも、これからご紹介するポイントは押さえるようにして、効率よく使いこなしたい。
本連載はビギナー向け。そこでまずは、いざ、ふるさと納税をしようと思った場合、最初にどこにアクセスしたらよいかから、お伝えしていこう。
初回となった「返礼品に加え節税でもお得 ふるさと納税今年するなら」で、民間のふるさと納税サイトがあることは既にご紹介した。こうしたサイトでは、ネット通販をするような感覚で返礼品探しから必要な手続きまでワンストップで簡単に済ませられる。だから、ビギナーには民間運営のふるさと納税専門サイトをおすすめしたい。
自治体によっては、ふるさと納税用の特設サイトを立ち上げている場合もある。ビギナーであっても、応援したい自治体が既に明確に決まっているという方は、インターネット上で当該自治体の特設サイトの有無の確認から始めてもいいだろう。
ただ、いろいろ見てから決めたい場合は、多様な自治体のふるさと納税を取り扱っている民間のサイトの方が便利だろう。
もう一つ。ふるさと納税という名称で自治体に寄付するこの仕組みでは、寄付先を1つの自治体に限定する必要はない。1年あたりの寄付金総額が、ご自身の所得や世帯構成などで決まる上限額(本連載の①に表を提示)の範囲に収まるならば、居住地の自治体を含む複数の自治体に寄付することも可能だ。あの自治体からは精肉を、この自治体ではコメを……というように複数の自治体からの返礼品を楽しみたい場合も、民間のふるさと納税サイトは使い勝手がいい。
なお、自治体によっては住民票を置いている居住者からの寄付も受け付けている。この場合は返礼品を受け取れないことが多いが、寄付者には「寄付金の使途を指定できる」というメリットがある。地元の自治体の子育て策や気になるプロジェクトをピンポイントで支援することが可能となるわけだ。ただし、前述の通り、居住者の寄付への対応は自治体によって異なる。関心がある方は、居住地の自治体に直接、問い合わせてみてほしい。
民間の専門サイト、大手だけで10を超える
ここから、専門サイトの例を紹介しよう。最近はテレビCMも見かけるようになったが、老舗の「ふるさとチョイス」(https://www.furusato-tax.jp/)をはじめ、「さとふる」(https://www.satofull.jp/)、「ふるなび」(https://furunavi.jp/)などがある。大手だけでも軽く10を超える。
これらのふるさと納税専門サイトは、サービス内容や決済手段、掲載している自治体、返礼品などがそれぞれ異なっている。だから、実際にサイトを閲覧するなどして、自分の寄付スタイルに合ったものを選んで使いたい。
参考までに少し補足すると、掲載自治体数や返礼品数が圧倒的に多いのは、ふるさとチョイス。同サイトは決済手段も豊富で、クレジットカード決済に加えてアマゾンジャパン(東京・目黒)が提供する決済サービス「アマゾンペイ」をはじめ、「PayPal(ペイパル)」「楽天ペイ」「メルペイ」「d払い」「auかんたん決済」「ソフトバンクまとめて支払い」などのキャッシュレス決済が使える。さらに、ネットバンク支払いや郵便振替、銀行振り込み、コンビニ払いなどで支払うことも可能だ。
一方、ふるなびは寄付額に応じてアマゾンギフト券などに交換できる「ふるなびコイン」がもらえる。同サイトは電化製品の情報が充実しているのも特徴で、家電の返礼品狙いの人は定期的にウオッチしておくといいだろう。