「セルペンティ、機械式時計の限界挑戦」ブルガリCEO時計ブームを語る(3) ブルガリ ジャン-クリストフ・ババンCEO

2022/3/26
美しいスケルトンモデルのオクト ローマ ブルー カリヨン トゥールビヨン.。複雑時計でも存在感を高めている

高級宝飾品ブランド、ブルガリが時計の分野でも存在感を増している。ブランドを代表するアイコニックな時計「セルペンティ(へび)」では、最小クラスの機械式ムーブメントを搭載したジュエリーウオッチを発表。メンズ用時計「オクト」では複雑機構トゥールビヨンなど高い技術力を生かした高級モデルの開発に余念がない。ジャン-クリストフ・ババン最高経営責任者(CEO)は「宝飾品・時計でのブランド認知度を確実に高めるため、あらゆることに取り組む」と話す。




磨き続けた技術 極小の駆動装置に結実

――新型コロナウイルスの感染拡大は、ブルガリの業績にどんな影響を与えましたか?

「ワクチン接種が進んできたこともあって、パンデミックは落ち着いてきました。2021年の売り上げは20年に比べて非常によく、平時であった19年の水準に戻ってきました。多くの国や地域でとてもよい成績を上げ、特に日本が好調です。21年が19年と異なるのは、旅行ができなかったためにトラベルリテールが損なわれているという点ですが、それを除けばラグジュアリービジネスは回復していると実感しています」

「顧客とのコミュニケーションやブランド体験など、あらゆることに取り組んで日本での認知をさらに上げたい」と話すジャン-クリストフ・ババンCEO

――消費者は価値が落ちにくい高級時計や貴金属、宝飾品などをこれまで以上に評価するようになりました。中古品の売買も活況です。こうした現状をどう見ていますか。

「ジュエリーは古くからもっとも価値のあるものです。洋服は10年たつと価値が廃れてしまうものもありますが、ジュエリーは価値が下がってしまうことがほぼないんです。ですからリセールマーケットなどに左右されることはありません。ブルガリのお客様にはジュエリーを自分自身のために購入する、自立した女性がますます増えています」

――トップジュエラーであるブルガリが時計ブランドとしての存在感も高めている理由は。

「ブルガリは超薄型の機械式時計の限界に挑戦し続けてきました。14年、スポーティーな『オクト フィニッシモ』が自社製薄型ムーブメント(駆動装置)を搭載して登場して以降、ブルガリの時計の歴史を変え、技術が磨かれていったのです。このほど、2年半をかけて開発した極小のムーブメント『BVL100ピコリッシモキャリバー』を搭載した『セルペンティ ミステリオーシ』を発表しました。セルペンティはずっとブルガリのシンボルであり続けてきましたが、22年はモダンに再解釈したセルペンティで、より力強いアイコン時計として発信していきます。男性用時計『オクト』でも新作を発表していきます。このほか、リングにロゴを刻んだジュエリー『ビー・ゼロワン』、ブライダルコレクション『ローマ アモール』などにも力をいれていきます」

セルペンティ ミステリオーシ ハイジュエリー シークレットウオッチ ヘッドにはダイヤモンド626個を使い、目はエメラルド製。ヘッドに格納されたBVL100ピコリッシモキャリバーはわずか1.3グラムというコンパクトなムーブメントだ(予価 3162万5000円)

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