政治には無関心、東海中高でダンス三昧
伊藤さんは愛知県瀬戸市出身。「全く政治に関心はなかった」という。憧れたのはむしろ起業家だ。「瀬戸市は将棋の藤井聡太さんやメルカリ創業者の山田進太郎さんなどの独創的な著名人を輩出する街。山田さんは東海の先輩でもある。自然豊かなのんびりした田舎だけど、やきものの街なので小学校の時に粘土をこねる授業がある。これでクリエーティブ力が養われるのでは」と笑う。

東海は国公立大学医学部の合格者数で全国トップを走る進学校。「確かに医学部志望者は多いけど、個性豊かで反骨精神にあふれた生徒も少なくない。頭のいい男がいっぱいいるので、むしろ変わったヤツの方が尊敬される」と自身も勉強以上にダンスにはまった。
東海名物の文化祭ではツイッターなどSNSを駆使して集客に励み、ダンスで最優秀賞も獲得した。寝ているとき以外はオンラインをつなぎっぱなし、典型的なデジタルネーティブ世代だ。一方で文学や哲学の書籍をむさぼり読み、俳句が得意になった。「東海は周りに敵なしの進学校。結構ノビノビしていて、自分は何かでかいことをやれるのではと思い込んでいた」という。
上京して慶大に入学するや、「ネットで社会を変えるサービスを創ってやろう」とプログラミングを学んだ。自身で開発した「俳句版ツイッター」のサービスを開始、毎日新聞に売却した。