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経済学者・社会起業家のムハマド・ユヌス氏 ©Yunus Centre

経済学者・社会起業家のムハマド・ユヌス氏 ©Yunus Centre

マイクロクレジット(無担保少額融資)のグラミン銀行を創設し、世界の貧困解決に貢献したことでノーベル平和賞を受賞した経済学者で社会起業家のムハマド・ユヌス氏。新型コロナウイルスによるパンデミックが今なお続く世界で、世界経済の行く末をどのように見ているのか。作家でコンサルタントの佐藤智恵氏がインタビューした。

(上)開発企業はワクチンの特許権放棄を

パンデミックは歴史的な機会

佐藤 今後、世界経済はどのように回復していくべきですか。

ユヌス パンデミックは世界経済にとてつもなく大きな打撃を与えています。多くの人々が職を失い、生活の糧を失い、命を失いました。これに対して世界はなすすべもありません。それどころか事態は悪くなるばかりです。私たちがこれまで築き上げてきた社会システムの欠点や脆弱性が次々に明らかになってきています。

しかしながら、パンデミックはよりよい世界を創る歴史的な機会でもあるのです。すべてが崩れ去れば、すべてを刷新することができます。平時であれば部分的な改善にとどまり、基本的な構造を変えることはなかなかできませんが、いまならできます。これは新しい社会構造、政策、機関を創造するまたとないチャンスです。私たちはこのパンデミックを、古いシステムを打ち壊し、新たな世界を実現する良き機会にしなくてはなりません。

その道標となる指針は「ノー・ゴーイング・バック」(NO GOING BACK)。パンデミック前の世界には二度と戻らないと決めることです。

この歴史的な機会を生かさなくてはなりません。二度とパンデミック前の間違った政策が繰り返されてはならないのです。

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