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我々の社会の中で絶えずルールは存在する。無人島でひとり生活するのであれば、ルールは必要とされないが、複数の人間が同じ空間で生活する以上、取り決めは必要になる。本書『ルールの世界史』を読むと、社会秩序の維持に欠かせないルールが、どう時代とともに変化し、新たに生まれ、変わり、廃れていったか、その軌跡が手に取るようにわかる。我々はどう向き合ったらいいのか。「ルールとは、コミュニケーション・ツールであり、それを使いこなした者が成功する」とする著者の主張は明快だ。スポーツに始まり、裁判や戦争、さらに時代を超えて技術や社会構造の進化で変貌していく流れに合わせてめまぐるしく変わるルールのありようをテーマごとに分析している。次代を担う「若手リーダー」にもぜひ一読をおすすめしたい一冊だ。

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著者の伊藤毅氏

著者の伊藤毅氏

著者の伊藤毅氏は弁護士であり、自身が立ち上げたフレックスコンサルティング(東京・千代田)の代表を務めています。1971年生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修士課程を修了し、99年に弁護士登録。外資系法律事務所での勤務を経て、コンサルティング会社、フレックスコンサルティングを創設しました。経営コンサルタントと弁護士が一体となった独自の企業支援を続けるとともに、国の政策立案の支援などにも従事しています。

時代が進むにつれてルールは変わり変貌してきた

時代が進むにつれてルールは変わり変貌してきた

社会構造の変化に合わせて進化するルール

本書は全7章で構成されています。第1章では、そもそもルールとは何か、その成り立ちなど総論を解説しています。第2章から第6章までいわば各論にあたる章立てで、第2章が金融、第3章が特許、第4章が自動車産業、第5章が企業育成、第6章がインターネットとテーマごとに詳述しています。第7章ではこれまでの章を振り返りながら、ルールがどう生まれ、どう変わり、どう廃れていくのかについて総括しています。

もともとはスポーツや裁判、戦争などでしか使われてこなかったルールが、近代以降、社会構造が大きく変わる中で、技術や産業の進化に伴いルールがさらに複雑化していったことを物語っています。それらは今後の人工知能(AI)、自動運転などの開発・普及が期待される中で、不可欠となる法律やルールの整備の解説にまで踏み込んでいきます。

ルールを変えるためにはルールについて知る必要があります。本書では、経済活動を中心にそれぞれのルールがどのような目的をもって作られ、そのためにどのようなテクニックを利用したのかを分析していきます。それによって、ルールの変え方もわかってくるはずです。
(プロローグ 5ページ)

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