箸で切れる柔らか酢豚 探究心が生むこだわり中華個室のある中華編③ 結華楼

ディナーでビジネスパーソンに人気の「シェフおすすめコース」
大切な人と一緒に行きたいお店を選べるサイト「大人のレストランガイド」から、安心して通える「行きつけにしたい店」をピックアップして紹介します。

料理の名店がひしめく東京・神楽坂で、若い女性からビジネスパーソンまで幅広く支持を集めている中華料理店が「結華楼」だ。「高級中華をリーズナブルに」というコンセプトのもと、4大中華料理と点心に精通した料理人の味を楽しめる。

4大中華料理、点心の各名店で修業を積んだ総料理長の斉藤雄史さん

JR飯田橋駅から神楽坂通りを歩き、上りきる少し手前のビルに店舗はある。ブラウンを基調とした上品な店内には、カウンター、テーブル席のほか、個室も用意されている。カウンターからガラス越しに見えるキッチンで腕を振るうのがオーナーで総料理長の斉藤雄史さん。両親が中華料理店を経営しており、自然と中華料理の道に入ったという。四川・広東・北京・上海という4大中華料理の名店で経験を積み、さらに点心を学びたいと台湾に渡り台北の有名店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」で修業した後、2013年にオープンした。同店のロゴマークは5つの花びらからなる蓮(ハス)の花で、花びらはそれぞれ4大中華料理と点心を表しているという。

こうした探究心から生まれる同店のメニューのなかで特に人気なのが小籠包(ショウロンポウ)と酢豚だ。

桜色の小籠包 2日間煮込んだスープがあふれ出す

東京・神楽坂の桜をイメージした桜色の小籠包を目当てに来店するお客さんも多い

白色と桜色の2色で提供している小籠包は、2日間煮込んだスープとあんを、温度と湿度を徹底管理してつくった皮で包んである。もちもちとした食感を失わないために、皮を破れないような絶妙な薄さにして、17以上のひだをつくって包む。皮は手のひらの温度で状態が変わってしまうこともあるので、素早く美しく包む技術も出来上がりを左右する。「小皿やレンゲの上に小籠包をとり、皮に少し穴を開けてスープだけを味わった後、一口で食べるのがおすすめ」と斉藤さん。小籠包目当てのお客さんが多いことから、平日のランチメニューにはすべて小籠包がつく。ランチメニューは麻婆豆腐(税込み1100円、以下同)、八宝菜(1200円)や担々麺(1020円)など幅広く揃えている。

2時間煮込んで3時間蒸してから調理することで箸でも切れる柔らかさになる酢豚

「食感に驚かれるお客さんが多い」(斉藤さん)というのがディナーで提供している酢豚だ。中華料理の定番だが、同店の酢豚には特別なこだわりがある。斉藤さんは、中華料理の修業を積む中で「酢豚は肉が硬くて食べづらい。子どもからお年寄りまでおいしく食べられる、柔らかい酢豚をつくりたい」と思い、研究を重ねた。その結果、通常の調理の前に2時間煮込んで3時間蒸すという独自の方法にたどり着いたという。さらに、この方法で調理しても煮崩れせずに調理できる豚肉を選んでいる。「肉は箸で簡単に切れる柔らかさ。酢豚なのにとろけるような食感を楽しんでいただけます」と自信たっぷりに話す。

調味料にもこだわっている。ラー油は自家製で2日間かけてつくる。唐辛子を油で炒めて1日置いたものを再度加熱し、山椒や八角を加えて香り豊かに仕上げる。ほどよい辛みとコクのあるうま味が特徴で、ランチの人気メニューのひとつである担々麺などによく合うという。

ランチは8割程度女性客だが、ディナーはビジネスパーソンが接待など商用でコース料理を注文することが多い。コースで一番人気なのが「シェフおすすめコース」(8800円)。小籠包と酢豚を含む計9品だ。「男性でもおなかいっぱいになる量」(斉藤さん)という。

「おかけで商談がうまくいったよ」

彩り鮮やかな料理がより映えるブラウンを基調とした店内

外国人が多い立地のうえ、ビジネス目的の利用が多いことからアルコールも幅広く用意している。なかなか手に入らない希少な紹興酒のほか、ワインの充実ぶりが目を引く。店内にあるワインセラーは外からお客さんにラベルが見えるように並べられる特注品。「中華料理に合うワイン」を斉藤さん自らが選んでいる。

接待で利用したお客さんから「おかげで商談がうまくいったよ」といった声を聞くことが「なによりうれしい」と斉藤さん。店名の「結華楼」の「結」には友人や恋人、仕事などで人と人がつながる場所をつくりたいという思いを込めているからだ。「おいしいといって食べてもらうのはもちろんだが、自分のつくった料理が人と人をつなぐきっかけになることが料理人としてとても誇らしい」と話す。

父親は有名店で料理長を務めた後、独立して中華料理店を開いた。一流の味を手ごろな価格で楽しめるとあって、多くの人が訪れていたという。斉藤さんは現在「さらに多くの人に結華楼の料理を味わってもらうにはどうすればよいか」と考え、リーズナブルな価格で結華楼の味を楽しめる新たな店舗の出店などを検討している。斉藤さんの探究心は衰えることはない。

(町田猛)

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