一番怖いのは女性の目 いつも見られていると意識
――すごい。ストレッチはどのくらい続けていらっしゃるんですか。
「30年はやっています。あとここの日本財団ビルは2001年に完成したのですが、それから毎日、オフィスがある7階までエレベーターを使わず階段で上り下りをしています。130段、往復して260段。多いときはビルに4回出入りしますから1000段になります。最初は20人くらいの『階段仲間』がいましたが、どんどん脱落していっていまは僕1人」
「健全な肉体を保持するために努力をしているんです。やはり、人の上に立つ人は、働いてくれる職員のために健康に留意し、こぎれいでいるということが大切なんですよ。家でごろごろしている人なら自堕落な生活でもいいけど、働いているたくさんの人たちの先頭に立つならば『あんなに若々しくて元気なんだから、82歳で働かれても仕方ないわよねえ』と思ってもらいませんとね。よぼよぼ歩いていて『早く辞めたらいいのに』なんて思われたらおしまいです。歩くのだって、妻は70センチの歩幅で歩きなさいと言う。防衛省の役人に教わったという、本格的な歩き方指導です。きれいに歩くのは難しいですけど、健康法というのは続けるかどうかが大事なんです」

――あと若々しさを保つうえでは、人から見られているという意識を持つことも大切ではないでしょうか。
「はい、その通りです。何より女性の目が一番怖い。仕事中、会話がなくても、必ずどこかから見られていますから。俳優は、人に見られている意識がいつもあるから年齢よりも若く見える。僕も常にそういう意識をもって立ち居振る舞いに気をつけています。そして、笑い。笑いのない人生なんて、人生ではないですからね」
(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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