大使も欲しがるピンクの特製シャツ 日本財団・笹川会長日本財団会長 笹川陽平氏(上)

「高価な時計にもぜいたくなものを着ることにも興味はありません。こだわりがあるとすれば、相手に不快感を与えない装い、かなあ」と話す日本財団会長の笹川陽平さん(東京都港区の日本財団ビルで)

小さめの白い襟がついたピンクのクレリックシャツ。それが公益財団法人・日本財団(東京・港)会長の笹川陽平さんのトレードマークだ。ノータイでもぴしっと見える、自分で考えた唯一無二のデザイン。このシャツを着て海洋保護、障害者支援などさまざまな社会貢献活動に取り組んでいるうちに、国内外の要人から「私も買いたい」と声がかかるまでになった。ピンクのシャツに合わせる靴下の色はピンクか赤。その心は「年寄りくさくならない」から。明るい色を着て、毎朝トレーニングを欠かさず、姿勢をチェック。「人様に不愉快な思いをさせない服装をしなさい」という母親の教えに徹し、身だしなみを整えている。




「ノータイできちんと見える」 ポイントは襟

――先日見たテレビのインタビューでピンクのシャツが印象的でした。きょうも同じシャツです。愛用されているんですね。

「面会でも夕食会でも全部これです。先日ある国の大使館に行ったら、そこの大使から『笹川さんと同じシャツが欲しい。どこで売っているの』と言われました。よく聞かれるんですけど、売っていないの。だって僕が作ったんですから」

――襟が白、身ごろがピンクのクレリックシャツ。襟は小さくて首回りがすっきり見えます。どんな意図で作られたのですか。

「意図も毛糸もないよ。きっかけはクールビズです。ネクタイをせず、ワイシャツの第1ボタンをはずし、胸元をはだけて背広を着ているビジネスマンが増えたのを見て、だらしない感じがしたんです。男性も女性も襟は一番大切なところだと思っています。女性の着物だって襟元を大事にするじゃないですか。ノータイできちんと見える服を考えていたら、ふと神父さんの服装を思い出して」

――「キャソック」と呼ばれる立ち襟のガウンでしょうか。たしかに雰囲気が似ています。

「あの祭服にはカラーが入っていて襟元がしっかりしています。そこでいつもワイシャツを買っている三越に、こういう風にしてくださいと頼んで作ってもらったのがこれです。今では同じ形のシャツが20枚くらいになりました。襟は全部白、身ごろの色は青やしま模様もあります。青のシャツは海洋保護の仕事など海に関係するときに着ます」

ピンクのシャツとまったく同じ形のシャツが20着ほどある。神父さんの服装から着想した、笹川さんのオリジナルデザインだ

「ネクタイは何百本も持っていましたが、全部職員にあげて、いまは5本ほどしかありません。普通の白のワイシャツが5~6枚。相手に失礼のないように、セレモニーで必要な正装のスタイルは持っています」

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母の教え 「洋服は自分のために着るものではない」