池袋「章記点心」 発酵白菜を肉まんで味わう

腸活は毎日続けることが大事。発酵白菜をさらに気軽に体験できるのが、JR池袋駅の西口から北に10分ほど歩いたところにある「章記点心(ショウキテンシン)」だ。肉まんのあんに発酵白菜を加えた「酸菜肉まん」が110円と良心的な値段で味わえる。
「章記点心」は5年前から中国料理店として営業していたが、コロナ禍で業態転換を迫られ、肉まんとちまきでテークアウト営業に切り替えた。その後、メニューを少しずつ増やし、現在は「お粥」(220円)や各種「ワンタン」(550円~)、「水餃子」(550円~)、「豆乳」(大330円、小220円)なども販売し、家庭的な味を求める中国出身のお客さんがひっきりなしに訪れる。

店主の章上海岩(ショウガミ カイゲン)さんは発酵白菜の故郷、東北地方のハルビン出身。中国ではどのように漬けているのか尋ねると、「丸ごとの白菜をお湯でさっと洗って、周りに塩をまぶしてかめに重ねて重しをします。水が上がってくるのでそこから最低1カ月くらい発酵させてから料理に使います」
家庭によっては漬ける前の白菜を湯でさっとゆでる人もいる。漬ける人で風味は微妙に違い、ひとつとして同じものはないそうだ。おいしく漬けられる人もいれば、何度やっても発酵がうまく進まず完成に至らない人もいるという。発酵が進むと酸味のほかに香りも複雑さを増すので、どちらかといえば子供より大人が喜ぶ味といえる。

酸菜肉まんは、通常の肉あんに白菜のシャキシャキとした歯ざわりと発酵白菜の香りが加わって大陸らしい味わいになっている。店先で熱々をほおばっていると、中国の街角にいるような旅気分を味わえる。この店の肉まんはサイズも絶妙で、大きすぎず、小さすぎず、小腹が空いたときにサクッと食べられるところもリピートする人が多い理由だろう。ほんのり甘い豆乳と組み合わせれば、ヘルシーな朝ごはんにもなり体も温まる。
店では、現在通販サイトを準備中。すでに口コミで日本各地に住む同郷のお客さんへ冷凍発送しており、こちらをもっと軌道にのせていく予定だ。
「章記点心」の営業は22年1月2日から。旧正月は1カ月後の2月1日。中国では旧正月に水ギョーザを食べる習わしがあるので、メニューにある酸菜水ギョーザを食べに足を運んでみるのもいい。スタンディングならカウンターでのイートインもできる。正月からの腸活で健康な1年になりますように。
(ライター 伊東由美子)