豪快!“ベジなし”グルメバーガー 食欲の秋を満喫

ベジなしバーガーにはピクルスも入らない。肉とチーズのみの潔さ

東京・六本木にはマクドナルド上陸よりも20年以上早い1950年に、日本で最初と言われるハンバーガーショップがオープンしている。ロアビルの向かいにあった「ザ・ハンバーガー・イン」だ。残念ながら、店は2005年に幕を閉じたが、再びハンバーガーを求めて六本木へ足を運びたくなる店が16年にオープンしていた。“ベジなし”バーガーが人気の「ゴリゴリバーガー TAPROOM(タップルーム)」だ。

店名が示すとおり、ハンバーガーと樽(たる)出しのクラフトビールが楽しめる同店は、六本木ヒルズの斜め向かい、大通りを挟んだ一角にある。入り口ではバーガーとビールを手にしたゴリラのキャラクターと、ずらりと並ぶタップが出迎えてくれる。オーナーは06年までプロとして活躍したアメリカンフットボールの元選手で、店内のモニターには、スポーツバーのように試合の中継ビデオがノンストップで流れる。

タップがずらり12本。ほかに缶(800円~)も用意している

今回は、9月10日から販売が始まった「地獄の激辛バーガー」(2500円)のお披露目会ということで初めて足を運んだ。店名のゴリゴリは、キャラクターのゴリラから来ているのか? それともバーガーのパティが超粗びきでゴリゴリしているのか? そんな想像をしながら、主役の登場を待った。

ギネスの世界記録で世界一辛いトウガラシと認定されている「キャロライナ・リーパー」をソースに使用した新作のハンバーガーは、辛さの段階が「ヘタレ」「呪い」「ゴッド」と3段階用意されている。一番抑えたヘタレでも、オーナーは汗が止まらなくなるとのことで、試食では辛さの度合いをヘタレよりもさらに控え、辛いソースを使わない通常のバーガーと半分ずつ用意された。

運ばれてきたバーガーは、バンズからはみ出すように肉片が顔をのぞかせ、マッチョなビジュアルだ。噂通り野菜の姿は見えない。

通常のゴリゴリバーガーと、激辛ソースを塗ったバージョンをハーフで試食。見た目は特に変わらない

初めての訪問なので、まずは辛味のないスタンダードなバーガーから試食。ふかふかとしたバンズからパティへ歯が沈み込むと、意外にも肉がふわりとほどける。食感も想像していたゴリゴリとした硬さではなく、心地よい噛(か)みごたえだ。野菜入りのバーガーでは、途中から水分が出てきたり、形が崩れたりとバランスよく食べるために格闘しなければならないが、その煩わしさがなく、バンズとパティのフィット感を最後の一口まで楽しめる。

次は今回の主役、「地獄の激辛バーガー」へ。見た目はふつうのバーガーとまったく変わらない。警戒しながら、意を決してほお張ると、一口目から刺さるような辛さは来なかった。ソースが単独で舌に当たらないよう、薄めに塗られているのかもしれない。食べ進むうちに、徐々に辛さが舌に積み重なって、額がじっとりと汗ばんでくる。ふつうの舌を持つ人には、ヘタレ以下でも辛さは十分強い。体温も上がり、クールダウンのためにもビールが自然に欲しくなる。

それにしてもベジなしバーガーの食べ心地はクセになりそうなほど快適だ。業界ではどれくらいポピュラーなのだろう。

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おにぎりのようにパティの中に空気を残してふわっと