ビジュアル解説 パソコンのメモリー選びの基礎知識

2021/10/21
図1 詳細は後述するが、テレワークなどで複数のアプリを同時に使用するなら、メモリーは8GB以上が必須だ。上のグラフはベンチマークソフトの「PCMark 10」でメモリー容量の違いによるワードとエクセルの処理性能の違いを計測したもの。メモリー容量が増えるとビジネスアプリの処理性能も向上する。余裕を持たせるなら16GBを選択したい

【記事本編はこちら】テレワークでパソコン快適に使う メモリー16GBが理想

図2 メモリーはCPUがデータを処理する際に、HDDやSSD、ネットワークの情報などを一時的に記憶する役割を持つ。CPUを料理人に例えると、メモリーはまな板のようなもの。まな板が小さい(メモリーが少ない)と料理用のスペースが減り、作業効率が悪くなる
図3 メモリーのスペックで注目すべきは、「容量」のほか「メモリー規格」「モジュール規格」「モジュール形状」「デュアルチャンネル対応の有無」。以下、これらの見方について解説していこう
図4 現在主流のDDR SDRAMメモリーは、2000年代の初めまでパソコンメモリーの主流だったSDRAMをベースにしている。SDRAMはクロック周波数に同期してデータを読み出す仕組みだった。これに対して、DDR(ダブル・データ・レート)SDRAMは、クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを読み出すことで、SDRAMの2倍の転送速度を実現している
図5 DDR4は、4世代目のDDR SDRAMであることを意味する。DDR SDRAMの種類は表の通り。世代が上がるごとに理論上の最大データ転送速度が倍増している
図6 メモリーのスペック欄では、メモリーチップの規格とメモリーモジュールの規格が混在している。「DDR4-xxxx」と表記されるのがメモリーチップ規格で、「xxxx」はメモリーチップの動作周波数(データ転送レート)を意味している。「PC4-yyyyy」と表記されるのがメモリーモジュール規格で、「yyyyy」はモジュール1枚当たりの1秒間のデータ転送量を意味している。メモリーチップの動作周波数の数値を8倍すると、ほぼモジュールの速度表記になると覚えておくとよい
図7 モジュールの形状には、主にデスクトップで使われる「DIMM」と、主にノートで使われる「SO-DIMM」がある。DDR4とDDR3では切り欠きの位置などが異なる。そのほか薄型ノートなどでは、メモリーチップが基板に直付けされているも場合もある
図8 デュアルチャンネルメモリーは、2枚のメモリーに同時にアクセスすることでデータ転送速度を向上させる技術。デュアルチャンネルメモリーに対応したCPUが搭載されているパソコンの場合、シングルチャンネルでは性能が十分に発揮できないので要注意
図9 8GBのメモリーをデュアルチャンネルで搭載したパソコンとシングルチャンネルで搭載したパソコンで性能を比較した。CPUとメモリー以外はスコアにほぼ影響しないベンチマークソフト「CINEBENCH R20」を使用。デュアルチャンネルメモリーに対応したCPUの場合、シングルチャンネルにすると若干性能が落ちることがわかる
図10 メモリーを増設・交換する際には、空きスロットの有無や対応メモリー規格(DDR4かDDR3か)などを確認することが重要だ。搭載できる最大メモリー容量にも注意したい。デュアルチャンネルメモリー対応CPU搭載パソコンの場合は、同容量のメモリー2枚でデュアルチャンネルにするのが基本だが、メモリースロットが1基しかなくデュアルチャンネルにできない機種もある。なお、メモリーが基板に直付けされているパソコンは、メモリーの増設、交換ができない
図11 主なノートパソコン向けのDDR4メモリーとDDR3メモリーの相場は表の通り。8GBでも数千円で購入できるので、メモリー容量に不足を感じるなら増設を考えよう
図12 数年前までは、メモリー搭載量が増えるとノートパソコンの価格は大幅に高くなったが、最近は事情が異なる。例えば、レノボ・ジャパンの「ThinkPad E14 Gen 2」の場合は、4GBと8GBの価格差が約4000円、8GBと16GBの価格差が約7400円と、それぞれの価格差は数千円程度だ(販売時期により価格は変動する)。もちろんメーカーによって差はあるが、現在では搭載メモリー容量による価格差は以前ほど大きくない
図13 メモリーが不足すると、CPUはメモリー上にある当面使わないデータをHDDやSSDなどのストレージに退避させて、メモリーの空きを確保する。この動作を「スワップ」と呼ぶ。これが頻繁に発生するとデータ処理が大幅に遅くなる。CPUを料理人に例えると、メモリーはまな板、ストレージは食材庫のようなもの。まな板が小さいと頻繁に食材庫から食材を入れ替える必要があり、料理人の作業が遅くなる
図14 普段の作業中の状態で、スタートボタンの右クリックメニューからタスクマネージャーを起動。「パフォーマンス」タブにある「メモリ」を開く(1)(2)。「コミット済み」の左側(2.6GB)が右上の搭載メモリー容量(16GB)の7割以下で、右側(18.5GB)も2倍未満なら、スワップの頻発は気にしなくてよい(3)(4)。「コミット済み」の右側(18.5GB)は実メモリーとページファイル(ストレージ上に作成されたデータ退避領域)の総量で、左側はそのうちの現在使用中の量。アプリを多数開くと両者ともに増加し、後者が搭載メモリー容量近くまで増えるとスワップが頻発し始める
図15 図14から起動できるリソースモニターで、スワップの発生頻度を確かめることができる。右下「ハードフォールト/秒」のグラフの縦軸がスワップの発生頻度を示しており、折れ線の動きが激しい場合はスワップが頻発している
図16 「Teams」で会議を行い、同時に「ワード「」エクセル「」パワーポイント」「Chrome(10個のタブを開く)」「Acrobat Reader DC」「フォト」を起動した際のメモリー使用状況を調べた。4GBでは、コミット済みのメモリー使用量が実搭載メモリー容量を超えてスワップが頻発。メモリーが全く足りていない。8GBでは、メモリー不足になってはいないが、コミット済みのメモリー使用量が実搭載メモリー容量の7割を超えており余裕がない状態だ。16GBでは容量に余裕があり、スワップはほとんど発生していない。各種資料を確認しながら快適にビデオ会議を行いたい場合は、メモリーは16GB以上が望ましい
図17 ウィンドウズ11のメモリーの最小要件は4GB、ウィンドウズ10 64ビット版の最小要件の2GBから倍増している。ウィンドウズを快適に動作させるには、最小要件の大体2倍以上のメモリーが必要となるので、11を快適に動作させるには最低でも8GB以上が必要と考えたほうがよい

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