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上手な節約生活 ヒントは暮らしの「不満」の中に

無駄をなくそう 節約生活のススメ

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本コラムを執筆している家事アドバイザー、節約アドバイザーの矢野きくのです。私はある意味「ぐうたら」なのでしょう。ダラダラ、ぼーっとしている時間が好きです。だから、そうした時間を確保できるように、家事にしろ仕事にしろ「やらなければいけないこと」はできるだけムダをそぎ落とし、最短の時間で済ませたいという思いが常にあります。

実はそうした「ムダを省きたい」といった思いが高じて、暮らしのなかで積み重ねてきたものが会社員だった私を家事アドバイザー、節約アドバイザーという、いまの私に導いてくれた、といっても過言ではありません。

大学卒業後、新卒では人材ビジネスの会社に入社しました。そこで、3万人以上の働く女性のコンサルティングに携わるなかで、「ムダを省きたい」との思いは、仕事と家庭の両立を求める多くの皆さんに共通するニーズなのだな、と気づいた次第です。

ただし、私のムダ嫌いは友達に「そこまでする?」と苦笑されることも。ちょっと、突出しているのかもしれません。

時間のムダを省けばお金のムダも省ける

もう20年以上前の話になりますが、会社員だった頃のことです。当時は電子化も進んでおらず、書類は文房具を使って手書きで作成するのが当たり前でした。ある書類の作成ではボールペンだけでも黒と赤の2色が必要で、注を加えるなど特定の作業の際にはシャーペンや蛍光ペンを使うこと、といった職場のルールがありました。

仕事をしながらペンを持ち替えるには手を止め、視線をペン立てのほうに向けなければなりません。ほんの数秒のことですが、その動きが私には耐えられませんでした。

その作業を最短にするにはどうすればいいか? 考えた結果、私は黒と赤の2色のボールペンとシャーペンの機能が1本になった筆記具を探し、その筆記具とフタを取らずに済むノック式の蛍光ペンを買いました。黒赤ボールペンとシャーペンが一体化した筆記具は持ち替える必要がなくて済みます。このスグレものの1本と蛍光ペンと、2本だけあれば仕事が済むわけです。

目の前にこれら2本さえ置いておけばペン立てから探し出す手間も省けます。さらに、お気づきでしょうか。たった2本なので「目の前に」置いてもさほど邪魔になりません。従ってペン立ても不要となり、買わずに済む訳です。ささやかなことながら、見方によってはこれも時間とお金のちょっとした節約術になった訳です。

料理巡るムダ削減で食材使い切り節約に

なんとかムダを省きたい。そんな思いで、前述の文房具を巡る1件のように試行錯誤を繰り返してきた私は、家では買い物や調理の時間を短くするにはどうすればいいかをずっと模索してきました。いまは「時短調理」という言葉をよく耳にします。けれど、日本で共働き世帯が片働きの世帯を上回るようになったのは1997年以降のこと。平成の初期は、働きながらの育児といったライフスタイルもいまほど広まっておらず、時短調理という言葉もまだ登場していませんでした。

私自身は純粋に「ムダ嫌い」から買い物や調理の時短方法をあれこれ試していました。それが先ほどお伝えしたような世の中の流れとちょうど重なり、働きながらの育児に取り組む方々の暮らしのニーズとマッチしたようです。

話を戻します。ムダを省きたいと買い物や調理についてあれこれ試した結果、自分なりに行き着いたのは「賞味期限の長い冷凍食品、乾物などを使う」「1度に大量調理をして冷凍しておく」という2つのことでした。図らずも時間の節約を求めてたどり着いたこれらは、食材を安く入手してムダなく使い切る方法とも重なり、お金の節約術ともなった次第です。

本コラムは今回が最終回となります。そこで最後に、そんなムダ嫌いの私が日々の生活で取り入れていることから、無理なく賢く上手に節約する方法を考えるためのヒントを共有させていただきたいと思います。

持ち物を最小限に減らす「ミニマリスト」になろうと意識している人でもない限り、家の中にはいくつものモノが存在していることでしょう。ここでちょっとお尋ねです。お宅にあるモノの中で実際に使っているモノはいくつになるのか、考えてみたことはありますか? 

実は生活していくなかで実際に使っているモノというのは、そんなに多くありません。スペースを占めているという観点からすると、残りの使っていないモノは、アルバムなど思い出とかかわるようなものや趣味のコレクションなどを除けば、ムダ遣いと言えるかもしれません。

しかし、何着もある洋服のように、いまとなっては使っていないモノでも、買うときはそんな予定ではなかったはず。「使おう」と思って買ったわけです。ここに無理なく上手に節約するための1つのヒントがあります。後々、使わなくなってしまうようなモノは買わないようにする、というのがそれです。

買い物での失敗を防ぐために意識したいこと

それにはどうしたらいいか。お金のムダ遣いになる買い物を防ぐための方法を次にお伝えしたいと思います。

食器でも洋服でも家電でもいいです。お宅にあるもので「使おう」と思って買ったのに、実際は使っていないモノを改めて思い浮かべてみてください。それらを使っていないのには、それなりの理由があるはずです。

たとえば、「この鍋は大きすぎて重たいから使いにくい」「この充電ケーブルは差し込む角度が悪くて不便」「このカバンは内ポケットが奥にありすぎて結局、何かを取り出すときに面倒くさい」……。改めて考えてみると、いろいろな「不満」が浮かんでくることと思います。だから、使わなくなってしまったわけです。

こうした不満を意識しないままだと、次にまた同じようなモノを買ってしまうという失敗を繰り返してしまいます。けれど、自分が何に不満を感じて使わないようになったのか、その理由に意識を向けるようにしていくと、様々なモノについて何を大事にしたいか自分の好みや基準が明確になっていきます。だから、次に同じ分野のモノを買う際は迷わず瞬時に自分にとって本当に望ましいモノを選べるようになり、ムダ遣いにならない買い物ができるようになっていく訳です。

別の言い方をすれば、暮らしのなかで自分は何にどんな不満を持っているのか、常に意識することが実はとても大切だということです。そしてそれこそが、ムダ遣いを防いで上手に賢く節約するための出発点となります。

不満の先にはハッピーがある

「日々、不満を意識しよう」と申し上げると、眉間にシワを寄せて考え込んでいるといった、あまり楽しくなさそうな生活風景を思い浮かべてしまうかもしれません。けれど、断言します。決してそうはなりません。

不満を意識するということは、裏を返せば自分にとって使いやすいもの、便利なもの、大切なものが見えてくるということなのです。同時に、それらが見えてくることで何を解決すれば好ましいかが分かってくるわけです。だから、不満を意識することは、自分にとってハッピーなモノで囲まれる生活に近づいていく助けとなります。

自分にとってのハッピーは決して人と同じではありません。「これを大切にしたい」「これを省きたい」の内容は人によって違います。それぞれの方の性格にもよるでしょうし、家族構成、持ち家かマンションかといったことや周りの環境、さらには「まもなく転勤する」「子どもが生まれる」などライフステージや時期によっても違ってくるでしょう。

だからこそ、日ごろから他ならぬご自分の不満を見つめることをおすすめしたいのです。そうしていけば、その時のご自身にとってのベストな解決方法がきっと見えてきます。SNS(交流サイト)などで「おすすめ」「これはいい!」といった書き込みを見かけても、それに踊らされずに済むようになる助けともなります。

そうしたことが積み重なって、時間の面でもお金の面でもムダ遣いのない生活になっていくと思うのです。即効性はないかもしれません。ただし、時間はかかっても「また失敗した」といったことから開放されて、本当に必要なモノや大事にしたいモノに囲まれて暮らすことができたら、ハッピーですよね。

最後にもう1つ。お金は人によってどの程度使えるかなど違いがあります。けれど、時間はどんな人にとっても「1日は24時間」と条件が同じです。その24時間を増やすことはできません。だからこそ、自分は何に時間を使いたいのか何に時間を取られたくないのかを意識することが、当たり前かもしれませんが、快適に暮らしていくための大切なポイントになるのではないでしょうか。

時間とお金の損益分岐点は人それぞれ

「これには時間を割きたくない」「これにかけるための時間がない」という場合、手作りの料理の代わりに総菜を買うように、お金をかけることで時間を短縮できる場合もあります。そのための出費がご自身の許容範囲内であるならば、お金で解決するというのも1つの方法です。

冒頭にご紹介した、私の会社員時代の筆記具の話はまさにこの例です。当時の私はタダで使える会社支給の文具の代わりに、自腹で赤黒ボールペンとシャーペンが一体化した文具とノック式の蛍光ペンを購入しました。

自分のニーズに合うものを入手しようと買い物にも時間を割き、数百円程度とはいえ出費もした訳です。けれど、「持ち換えのムダを省きたい」「蛍光ペンのフタをとる手間を省きたい」といった日々のイライラが解消され、ぐんと仕事がはかどるようになりました。ささやかな例ではありますが、自分にとってはまさに必要なものだったので、それらを入手するための時間もお金もムダ遣いにはなりませんでした。

時間とお金の損益分岐点は、本当に人によって違うもの。今回の記事を機に、読者の皆さんが暮らしのなかの不満を見つめ直し、ご自身にとってのハッピーな状態に少しでも近づいていかれることを願っています。

ムダ嫌いな自分のノウハウを少しでも役立てていただけたら……。そんな思いで本コラムを執筆して参りました。これまでの記事の中で、ほんの1行でも読者の皆様にお役に立つ内容がありましたならば、誠に幸いです。

(おわり)

矢野 きくの(やの・きくの)
家事アドバイザー・節約アドバイザー。明治大学卒。女性専門のキャリアコンサルタントを経て現職に。家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動。著書:「シンプルライフの節約リスト」(講談社)他 オフィシャルサイト https://yanokikuno.jp

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