MEN’S EX

2022/9/22

“変わらないこと"の裏に尋常ならざる努力を見た

「コロナ禍以来、訪問できていなかったアメ横。取材を終えて再認識したのは、アメ横の“変わらなさ”でした。というと簡単なことのように聞こえますが、実は大変すごいこと。ブランドやファクトリーはどんどん変わっていきますし、時には消滅の憂き目にあったりもします。そのうえ物価は年々上がる一方。そんな時代の激流にものまれることなく、昔ながらのものをできるだけ手ごろな価格で提供し続けることは並大抵ではありません。泰然とした様子の裏で、尋常ならざる企業努力を続けてきたのでしょう。アメ横において創業60年、70年の店は珍しくありませんが、そもそもこれだけの歴史を絶やさず今に繋いでこられたことに敬服します。私もピッツェリアを経営していますが、本当に大変なのは事業を発展させるよりも継承していくこと。アメ横のショップは世代をまたいで、昔ながらの“アメ横らしさ”を受け継いでいるのが素晴らしいなと改めて実感しました。’09年のM.E.取材時、私は『アメ横も少し寂しくなってしまった』という感想を抱きました。しかしコロナや情勢不安で世の中が沈む今にあっては、むしろアメ横に力強さを感じます。先日アンディ・ウォーホルのアートが約250億円で落札されたことが話題になりましたが、ウォーホルですら過去には時代遅れと評価されかけたことがあります。アメ横も今後さらなる黄金期を迎えるかもしれない。そんな予感を抱かせる取材でした」

Tetsuya Ikeda(池田哲也)
Profile
1968年生まれ。早稲田大学で経済を学んだのち三越に就職。特選紳士服売場のバイヤーとしてローマに駐在する。帰国後は服飾評論家の傍ら、森下でピッツェリア「ベッラ ナポリ」を開業。現在もピザ職人として店に立つ。

◇  ◇

今回の取材に同行し、池田さんと名物スタッフたちのイリュージョン的(?)会話に耳を傾けるうち、気づけば自腹でこんなに買い物。すっかり“アメ横ミイラ”になってしまった担当編集・小曽根の戦利品をご紹介。

「リモートワークにもすっかり慣れて、近ごろ外出の機会は激減。洋服の買い物欲も減退ぎみだったのですが、久々に両手に買い物袋を抱えて帰宅しました。一見おなじみの定番ばかりに見えるのですが、よく探すと珍品が続々。結局、取材先すべてで買い物してしまいました。ヤヨイではフランス製エスパとアメリカ製Tシャツを購入。どちらも衝撃的なコストパフォーマンス! 玉美では上でも紹介したポロを。ここでは書けない秘話にも引かれ即決でした。フリーポートで買ったのは、真夏まで着られそうなリネンシャツ。ジャケット感覚で羽織るのにちょうど良さそうです。いやはや、久々にドーパミンが出るのを感じました。アメ横、本当に楽しいです!」

①FOB ファクトリーのリネンシャツ 1万9800円

②コンション キネットのフランス製ポロ 1万3800円

③ラ・メゾン・ド・エスパドリーユのハンドソーンエスパ 4990円

④カルクルーの米国製Tシャツ 4500円

※表示価格は税込みです。

撮影=伏見早織 構成・文=小曽根広光

MEN'S EX

[MEN’S EX Summer 2022の記事を再構成]

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