適塩の実践には「パラパラ塩使い」がおすすめ

塩は生産者や産地・製法によっても、味わいに変化が生まれるので、異なる塩を用いれば、料理の味も幾重にも変わる。いわゆる「味変」が楽しめるというわけだ。塩で食べると素材本来の味わいも鋭敏に感じ取ることができる。食育にもなり、うってつけだ。

パラパラすれば食卓の会話も弾む

我が家の食卓は、いつもこの「パラパラ塩使い」で成り立っている。食卓にその日の料理に合いそうな塩をいくつか用意しておく。オイルや香辛料なども一緒に出しておけば、楽しみの幅が広がる。料理はすべて薄味で仕上げ、あとは食卓で塩加減を自分で調整しながら食べる。複数の種類の塩を用いて味を調整するのもおもしろい。「この塩で食べるとおいしいよ」などと食卓の会話も自然と弾む。

病気や疾患などで塩分量をコントロールしたい人にも、「パラパラ塩使い」はおすすめだ。ドレッシングやソースなどの複合調味料を料理にかけて使う際、自分が摂取した塩分や糖分、油分の把握が難しい。その点、塩をあとからかける方法なら量を可視化できる。調理の時に塩を入れると、溶けて塩角が弱くなるため、比較的量が必要になるが、料理に塩をかければ、塩が直接舌に当たるため、塩味を感じやすくなる。だから少量でも十分に満足感が得られる。塩分コントロールをしたい人は、塩で食べることを心がけるといいだろう。

寒い地方では塩を多く使った郷土料理が多い。北海道では塩ザケやぬかニシンと人参や大根などを一緒に煮込んだ「三平汁」が有名だし、青森県では山菜類を塩漬けにして保存し、長野県では「野沢菜漬け」がよく知られている。地域別の塩分摂取量を見ると、寒さの厳しい地域は摂取量が多い。北陸は10.7g/日、東北は10.6g/日(厚労省「国民健康・栄養調査報告」2019年)と全国平均10.1g/日を上回る。寒さが厳しい地域で塩が多く摂取されるのには、いくつかワケがある。

次のページ
塩には使うワケがある
メールマガジン登録
大人のレストランガイド