日経Gooday

2022/9/25

答えと解説

正解は、(1)鼻には空気中のほこりや花粉を取り除くフィルター機能がある(3)鼻には冷たく乾燥した空気を加温・加湿する機能がある です。

鼻呼吸と認知機能の関係も分かってきた(画像=123RF)

鼻呼吸の一番のメリットは、加温機能や加湿機能があることです。長年にわたり呼吸神経生理学を研究する昭和大学名誉教授の本間生夫さんによると、人間の鼻はよく、「加温・加湿機能が備わった空気清浄機」に例えられます。

「鼻から吸った空気は鼻の奥の鼻腔を通るときに、適度な温度・湿度に調整されてから肺に送り込まれます。その間には、鼻毛や粘膜の表面にある線毛、粘液がフィルターの役割を果たして、空気中のほこりや花粉、細菌やウイルスといった異物がある程度取り除かれます。鼻呼吸では、こうした防御機能が働いているので、風邪などの感染症を防ぐメリットがあります」(本間さん)

一方、口呼吸では鼻呼吸ほどには防御機能が働かず、汚れたままの空気や冷たい空気が、温度や湿度の調整もされることなく、肺に直接送られがちです。そのため、のどや器官の粘膜を傷めたり、感染症にかかりやすくなったりするデメリットがあります。

近年ではさらに、鼻呼吸のリズム(気流)が脳で感知されると、記憶を確かなものにしたり、認知機能を高めたりする働きが明らかになってきています。口呼吸のリズムではこうした作用はないようです。

冷たく乾いた空気が、温度や湿度の調整もされることなく肺に直接送られる口呼吸と違い、鼻呼吸では肺に暖かく湿った空気が送り込まれる(原画=PIXTA)

「もちろん、誰でも多少は口呼吸をしていますし、肺の疾患などで呼吸がしづらい人の中には口呼吸をしたほうがいいケースもあります。鼻が詰まっているときやマスクをしているときなどに、一時的に口呼吸になってしまうことも誰にでもあると思います。ただ、特に疾患のない人が、口呼吸を習慣にしてしまうのは避けたいものです」(本間さん)

口呼吸の習慣は、自分では気付きにくいこともあります。頻繁にのどを傷めやすかったり、起床時にのどが乾燥して痛んだりする場合には、口呼吸になっている可能性があります。口呼吸が疑われるときは鼻で呼吸をするように意識しましょう。

この記事は、「『なぜ口呼吸より鼻呼吸?』『深呼吸は体に悪い?』 呼吸の常識をアップデート」 (田村知子=ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday2022年9月5日付記事を再構成]