「標準のキャリアパスはない」 社員は学んで自立する「企業内大学」のつくりかた vol.2 LIFULL大学(後編)

LIFULLの村川麻衣さん(左)と羽田幸広さん(右)

「日本一働きたい会社プロジェクト」をきっかけに生まれたLIFULL大学。前編では、「会社が社員をリスキリングさせる」のではなく、社員自らが起点となって学びたいことを学び、会社はそれをサポートするという考え方や、具体的なプログラムについて聞いた。後編では、社員が自ら学びたいと思える風土づくりと、学びとキャリアのリンクについて、引き続き同社の執行役員でチーフ・ピープル・オフィサーを務める羽田幸広さんと、人事本部組織開発グループグループ長の村川麻衣さんに聞く。

実現したいビジョンを発見する仕組み作り

――何を学ぶかは社員自身が決めるというお話でしたが、人は「将来自分はこれを実現したい」とか「こうなりたい」というビジョンがあって初めて、今の自分に何が足りないかがわかり、その差を埋めるために学ぼうという流れになるかと思います。でも、皆が皆、最初から明確な将来ビジョンを持てるわけじゃないですよね。

羽田:そこは重要なポイントなので、LIFULLではいろんな仕掛けを用意しています。1つはキャリアデザインシートで、全社員に半年ごとにキャリアビジョンや、5年後、3年後のあるべき姿を書いてもらいます。内容は社内の仕事でなくてもよくて、社外で志を持って行う活動でも、私的な目標でも構いません。それを上司と共有しながら、あるべき姿から逆算して今どんな能力や経験が必要なのかを話し合ってもらいます。

「標準のキャリアパスなんてものはない」というのは、いろんな場面で皆さんに伝えています。もともとインターネット業界は転職が多い業界ですし、当社も、なんとなく目の前の仕事をこなしているうちに異動の辞令が出て、ジョブローテーションをしながら階段を上がっていくような会社ではありません。ですから社内でも自立してほしいですし、社外に出ればさらに自分という看板で戦うわけですから、自分は何が得意で、何が好きで、何だったら貢献できるのかを常に考えてほしい。それがすべての学びの根幹になると思います。

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