女性で史上最年少の上場企業社長になれるのか?

15年11月、ヒュープロを立ち上げ、学生起業家になった。税理士や弁護士など士業に特化した転職サービスを始めたのは、自身が資格試験の予備校に通い、その関係の仲間が多かったためだ。もちろん最初から事業がうまくいくわけではない。人と企業をつなぐ転職サービス。社会人として経験が浅く、対面で会うと「何、学生?」と、はなから相手にされない。

それでも悩みながら、歯を食いしばって事業を続けた。顧客先のある税理士事務所が突如閉鎖することになった。税理士補助だった女性スタッフが電話で「自分はシングルマザーだし、すぐに次の転職先が決まらないと食べていけない」と泣いていた。電話やインターネットのみで次の転職先が1週間で決まった。「対面ではなく、電話では若い女性だと見た目で判断されることなく、相手もしっかり話を聞いてくれる」。

転職先決定のマッチング期間 相場の3分の1

それがヒントになった。非対面とスピード重視の転職サービスを事業戦略の中心に据えた。明確なスキルのある士業に特化することで、AIによるデータ解析もやりやすくなり、マッチング期間が短縮される。「うちのマッチング期間は平均21日間。相場の3分の1で転職先が決まっていく」という。

新型コロナウイルス禍で、オンラインが当たり前となるなか、事業は急拡大を始めた。ベンチャーキャピタル(VC)も次々と出資。最近はサイバーエージェントの「藤田ファンド」からも出資を受けた。

現在の目標は自らの手で日本を世界一の国にすること。女性で史上最年少の上場企業の社長になり、アジアを代表する会社づくりを目指す。女性起業家では17年に転職支援サービスのウォンテッドリー創業者の仲暁子さんが史上最年少で東証マザーズ上場を果たした。仲さんも高校はニュージーランドで過ごし、京都大学時代にミスコンを企画するなど行動派として知られた。

海外で多様な経験を積み重ねてきた山本さん。現在、コロナ禍で事業は急成長し、毎月、複数の社員を採用している。21年末には手狭になったオフィスを移転した。世界を股にかけた女性経営者になる日は遠くないかもしれない。

(代慶達也)