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PDFは仕事でもプライベートでも欠かせない存在になってきました。利用する機会が多いだけに、Acrobat Reader DCを使いやすく設定したり、知られざる便利機能を活用したりすると作業効率が大幅にアップします。さらにPDFを編集するためのフリーソフトや無料のウェブサービスも充実しています。しかもWordでもPDFを編集できます。手軽に編集できる仕組みがこんなにあったのかと驚くこと請け合いです。7回にわたって徹底解説します。

◇  ◇  ◇

インターネットなどで提供されるデジタル資料は、汎用性の高いPDF形式のファイルになっていることが多い。申込書のような入力フォームも、PDFファイルで配布されるのが一般的だ。また、ExcelやWordのファイルをPDF化して保存したり、データの確認や文章の校正に利用したりすることもよくある。このように、PDFファイルの活用方法はさまざま。そのため、単に閲覧するだけではなく、用途に応じた操作が必要になる。

「Acrobat Reader DC」は、無料ながら多くの機能を備えたPDF操作の定番アプリ。目的に合わせて使いこなすことが可能だ(図1)。例えば、校正作業には「コメント」機能が便利。PDFのページ上に文字や図形を書き込んだり、別枠でメモを付けたりできる。また、「入力と署名」機能では、入力フォームの記入欄に沿って文字列を入力していける。作業しやすいよう、画面表示も柔軟に変えられる。

図1 PDF操作の定番アプリ「Acrobat Reader DC」には、閲覧以外にもコメントの書き込みやフォーム入力など、便利な機能が備わっている。メニューにあるのに使えない機能は、ほかのフリーソフトやウェブサービスで補える。目的ごとに賢く使い分けよう

図1 PDF操作の定番アプリ「Acrobat Reader DC」には、閲覧以外にもコメントの書き込みやフォーム入力など、便利な機能が備わっている。メニューにあるのに使えない機能は、ほかのフリーソフトやウェブサービスで補える。目的ごとに賢く使い分けよう

ただし、ツールパネルに表示される機能には、有料版の「Acrobat Standard」や「Acrobat Pro」でしか使えないものもある。例えば、ページの追加や削除、抽出などを行う「ページを整理」は無料版では利用できない。

そこで頼りになるのが、ほかのフリーソフトや無料のウェブサービス。Acrobat Reader DCにない機能は、たいていこちらでカバーできる。それぞれの得意機能を知り、使い分けるのがお勧めだ。

なお、OfficeアプリにはPDF作成の機能があり、Word文書などを簡単にPDF化できる。アプリに機能がない場合は、印刷機能を使う方法もある(図2)。

図2 アプリにPDF書き出しの機能がなくても、印刷画面でプリンターに「Microsoft Print to PDF 」を選べる場合は作成内容をPDFファイルに出力できる。「印刷」ボタンをクリックして、ファイル名と保存先を指定すればよい。画面は「メモ帳」の印刷画面

図2 アプリにPDF書き出しの機能がなくても、印刷画面でプリンターに「Microsoft Print to PDF 」を選べる場合は作成内容をPDFファイルに出力できる。「印刷」ボタンをクリックして、ファイル名と保存先を指定すればよい。画面は「メモ帳」の印刷画面

本連載では、PDF操作を快適にする実用的な機能を、目的ごとに紹介していく。さらに、PDFを直接Wordで開き、文書として編集するテクニックも解説しよう。

(ライター 伊佐恵子)

[日経PC21 2022年11月号掲載記事を再構成]

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