――どんなスーツが好みですか。

「生地にものすごくこだわっていて、イタリアのフラッテリ タリア ディ デルフィノのオーダースーツが好きです。仕立ては百貨店が多いです」

ダサいと言われた「あんパン袋」 支持される時代に

――化粧品に対する意識も変わっていますよね。

「オルビスは創業35周年を迎えました。1987年に発売したとき、世の中はバブルまっただ中で、化粧品はきらきらしたもの、豪華な容器が当たり前でした。その当初から、オルビスが採用していたのは簡素な包装。社内で『あんパン袋』と呼ぶ透明な袋です。『地味すぎる。ダサい』と言われましたが今では支持されています。そうした創業のスピリットは意識して残しながら進化に取り組んでいます」

ポーラに入社してベンチャーを立ち上げ、オルビスの社長に。すでにポーラ本体より「外」での職務が長くなった。「ポーラと同じことをやっても意味がない。グループの中で異端の会社が作れたことがよかったなと思います」

――この4年で取り組んだオルビスのリブランディングの完成度はどのくらいですか。

「2018年に目指していたところには7~8割達していますが、コロナによって時代が変わったので、当然新たに目指したいことが出てきています。僕は趣味も含めてライブで何かを見に行くことが好きなので、コロナでコンサート、歌舞伎、ミュージカルなどが見に行けなくなって生活の質(QOL)がめちゃくちゃ落ちました。でも次第に、デジタルによってライブで感じていた価値を提供できるようになりつつあることに、未来へのヒントを感じています。うちではアプリのダウンロードが400万件以上もあるのですが、それだけの規模を持てたのは人工知能(AI)によるカラー診断アプリなんかがものすごくバズったため。アプリを軸にしたブランド戦略や店舗をどう連携させていくのか。先行者メリットを生かすチャンスだと思っています」

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コロナで多様化 化粧も化粧品も