老舗化粧品の異端児「僕に私服はない」 オルビス社長オルビス社長 小林琢磨氏(上)

「オルビスを通販会社ではなくてビューティーブランドと位置づけてリブランディングしました」。ブランドカラーは無彩色トーンで自らもグレー、白、黒を好んで着る(東京・表参道にある「スキンケア ラウンジ バイ オルビス」で)

白Tシャツにスニーカー、かばんは軽快なバックパック。快進撃を続ける化粧品ブランド、オルビス(東京・品川)社長の小林琢磨さんの装いは脱・コンサバを掲げる経営理念と重なる。ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)に入社後、30代でEC(電子商取引)ブランドの社内ベンチャー、ディセンシアを起業し、40歳でオルビス社長に抜てき。老舗化粧品会社の常識を破り、デジタルを武器に改革に取り組む異端児だ。「興味のあることが仕事につながっている」と話す小林さんにとってオンとオフは地続き。「私服」という概念はない。




――リモートワークの浸透で仕事服が変わりました。小林さんのスタイルもカジュアル化が進みましたか。

「もともと僕の服装の基本はカジュアルです。カジュアルの中でもこぎれい、カジュアルの中ではフォーマル、そんなところをイメージしています。ビジネスシーンですから短パンをはくことはありませんけど、外の方にお会いしない、人前に出ることがないという日はTシャツやパーカで仕事をします。それでもきれいめなもの、が基準です」

スニーカーにリュック でもカジュアルすぎないように

――たとえばTシャツではどんなこだわりがありますか。

「無地のTシャツを1枚で着る場合は色と素材感が印象を決めます。だらしなく見えないように気をつけ、こだわっているのは素材。今着ているのは、東京の千駄ケ谷にある白Tシャツ専門店『シロティ』が日本のブランド『ミノトールインスト』とコラボしたものです。上質なコットン地で、めちゃくちゃ着心地がいい。こういうのが好きなんです。Tシャツは黒も着ます。カジュアルすぎる感じにならないよう、白、グレー、黒の組み合わせを選ぶことが多いですね」

専門店で手に入れたこだわりの白Tシャツは洗濯にも気を使う。「ネットに入れておしゃれ着用の洗剤で洗います」

――「シロティ」を好む経営トップは新鮮です。オルビスの店のカラートーンは無彩色で服装と合っていますね。

「自分がオルビスのブランドを体現することを強く意識しています。このジャケットもグレーとブルーと白が入っていて、スニーカーはまさにこのジャケットのためにあるかのようでしょ。『ブシェミ』のスニーカーで、ニューヨークのバーニーズで見つけました。僕は絶対スニーカーにリュックで歩きたい派。コロナが広がる前は毎日夜に会食を入れてスケジュールがパツパツだったので、アクティブさを重視してきました。ただ、スポーツブランドのスニーカーはカジュアルになりすぎるので、相手に失礼にならないように選んでいます。パンツはシルエットが自分に合う『ジースター ロウ』。特殊な裁断でスリムでもピタピタに見えないんですよね。僕のこだわりは、下半身はタイト、上半身はジャストかゆったりめというバランス。素材感とシルエットをものすごく気にします」

「ジャケットを選ぶときはジャケットの中でもカジュアル寄りできれいめのものを選びます」
スニーカーはブシェミ。デニムのパンツは立体的に見える裁断でラインがきれいなジースター ロウ
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ワークとライフの境目 グラデーションが理想