ご紹介した実験には、続きがあります。最初に湯を入れてから約24時間後となる翌日の午後11時頃まで、くだんの湯たんぽをそのまま布団の中に入れておいたのです。そして、中の湯の温度を測ってみました。なんと、体温より少し高い40.6度ありました(室温16.2度)。この湯をまた湯たんぽ用に温め直せば、水道代も節約できるうえ、水から沸かす場合より光熱費を節約できます。このように何度でも使える、というのもまた、湯たんぽのいいところです。
室内でも靴下や機能性下着で暖かく
「寒い。寒い」。部屋のなかでこう漏らしたとき、ちょっとわが身を振り返っていただきたいのです。薄着をそのままにしながら、わざわざ光熱費をかけて暖かさを実感しようとしていませんか。こう文章で読むと、「自分はそんなことはしていない」と思われるかもしれません。ところが特に自宅で過ごしている場合、服を重ねずに薄着のまま、という方は意外に多いのです。
もちろん、身動きがとれないほど重ね着をする必要はありません。では、どこがポイントになるか、ちょっとチェックしてみましょう。ご自宅での普段のご自身の姿を思い浮かべてみてください。
まず、靴下は履いていらっしゃいますか? 足元が冷えていては身体全体が冷えてしまいます。靴下やスリッパなどで足元を覆うと同時に、直接肌に触れる下着をあったか素材である機能性下着にすると、一段と暖かくなります。
もし、機能性下着は持っていないという方の場合、シャツなどインナーを早速すべて機能性下着に買い替える必要はありません。一気に変えようとすると、暖房費より高額の出費になってしまいます。数枚あれば洗濯もできるので、少しずつ機能性下着に切り替えていくことをおすすめします。
室内で暖かく過ごすうえでは、外で着るアウターの活用も考えましょう。アウターの定番といえるダウンジャケットなどは、部屋の中でもちゃんと威力を発揮してくれます。もっとも、ダウンのジャケットやコートだと、ごわごわとかさばって家事をする際などに邪魔になりがち。そこで、活用したいのがベスト型のダウンです。袖部分がないのでジャケットより保温性は下がりますが、動きの妨げにはなりません。薄手のダウンベストであれば、トレーナーの下やパジャマの上に着用できる点も便利です。
暖房器具の消し忘れ、これで防ぐ
暖房費を節約するワザはまだまだあります。スグれものがあるのです。消し忘れを防ぐタイマー付きのコンセント、というのが販売されているのをご存じですか。
誰もいない部屋なのに暖房器具がつけっぱなし、となってしまうと電気代がもったいないことに。そこで役立つのがこのタイマー付きコンセントなのです。使い方はこうです。まず、暖房器具の電源コンセントの先にタイマー付きコンセントをセットします。続いて、自動で「切る」になる時間を設定します。こうして電気器具を使い始めると、消し忘れを防ぐことができます。
エアコンを使っている方は、エアコンのリモコンにもタイマーがありますよね。同じ感覚で、タイマーがついていないホットカーペットやコタツなどに使えます。これらの家電製品は、オンにしてあるのかオフなのかが遠くからパッと見ただけでは分かりづらいもの。それだけに、タイマーで確実にオフにできると、確認の手間が省けて楽です。
暖気を効果的に室内に回す
空気は暖められると上昇するので、室内でも暖かい空気は上にたまる性質があります。だから、エアコンやストーブなどをつけているときは、この上にたまった暖気を上手に生かしたいもの。シーリングファンがあるご家庭なら、暖気を下すように回転させましょう。同じことをするうえで、実は扇風機も役立ちます。扇風機やサーキュレーターといった、床に置いて風を送り出す機器がある場合は、できるだけ上の方に向けて運転させましょう。天井近くにたまっている暖気めがけて風を送り込むことで、それらを下に押し出すことが可能です。
コロナ禍の今は定期的な換気も必要です。それとは別に、ドアの下などの隙間から意図せず冷気が入ってきたら、せっかくエアコンなどで暖めた部屋が冷やされてしまいもったいないですよね。ここで使いたいのが100円ショップやホームセンターで買うことができる「隙間テープ」です。縦長のスポンジ素材に粘着テープがついているもので、ドアの隙間部分を簡単にふさぐことができます。ぜひ、貼ってみてください。きっと、ご満足いただける効果を得られると思います。
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繰り返しになりますが、暖房費を節約すると言っても寒さを我慢、ということだけが解ではありません。冒頭に申し上げたように、節約で体調を崩してしまっては意味がありません。そうではなくて、今回ご紹介したような方法を取り入れ、ちゃんと暖を取りましょう。こうしたひと手間を取り入れるだけでも暖房にかかる電気代などをグッと抑えることができます。ぜひお試しください。
