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メインの平台の最前列に展示する。両隣の本よりひときわ山が減っている(リブロ汐留シオサイト店)

メインの平台の最前列に展示する。両隣の本よりひときわ山が減っている(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。人出がかなり回復し、週末の営業も再開し始めた矢先、オミクロン型の感染拡大が一気に進み、先行きの売り上げに不安が募る日々だという。そんな中、書店員が注目したのは、多数のフォロワーを持つ社会派ブログの筆者が、これからの世の中を生き抜くために「自分の意見を持つ」ことの必要性とその方法を説いた一冊だった。

正解のない問題に向き合う

その本はちきりん『自分の意見で生きていこう』(ダイヤモンド社)。著者のちきりん氏は多くの読者を持つ社会派ブログ「Chikirinの部屋」の筆者だ。巻末の略歴には「バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念」とある。05年に始めたブログが話題を集め、文筆専業になるまでになった。

自分の意見を言うことで道を切り開いてきたきちりん氏にとって、自分の意見は「自分で自分の人生を認め、肯定できるようになるために不可欠なもの」だ。その必要性、重要性を認識することで、「自己肯定感の高い、自分なりに幸せだと思える人生を手に入れる人が増えてほしい」というのが本書を書いた著者の願いだ。

意見とは何かを考える上で、著者はまず「正解のない問題」と「正解のある問題」の違いから考えていく。正解のある問題は調べていけば正解がわかる。ところが、転職すべきか、結婚すべきかといった個人的な選択には正解はない。同様に消費税をもっと上げるべきか、移民をより積極的に受け入れるべきかといった社会問題にも正解はない。あるのはさまざまな意見で、そこには正しいも間違っているもない。

ここを出発点に意見と反応の違いを考える。SNS(交流サイト)上での意見と反応、会議での意見と反応……さまざまな局面での発信をとらえながら、「いいね」ボタン的な反応では何も生み出さないこと、意見が言える人だけがインフルエンサーになったりリーダーシップを発揮したりできることをわかりやすく例示する。

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