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日経 X woman

キャリアコンサルタントとして海外のエグゼクティブにもコーチングを行う櫻木友紀さんは、そのキャリアの大半を医薬品の開発に関わって過ごしてきた。薬に携わる仕事に就くために自ら道を切り開き、夢をかなえた櫻木さんは、なぜコーチとして独立したのだろう。彼女のキャリアヒストリーについて話を聞いた。

米国初の日本語が分かる薬剤師を目指すも先を越された!

櫻木さんが夢に出合ったのは小学生の頃だった。

「小さい頃から医薬品の仕事をしたいと思っていました。薬が大好きだったんです。小児ぜんそくがあって入院しがちでしたが、薬を飲むと発作が治ることが不思議だったし、病院で調剤しているのを見るのが好きでした。小学校2年生の頃、科学雑誌の付録で実験をして遊んでいるのを見た母に『そんなに好きなら薬剤師になれば?』と言われ、『それいい! なる!』と思ったことを鮮明に覚えています」

医師として人の死に触れるのは怖そう。看護師は体力的にも無理そう。薬剤師なら自分にも目指せそうと思ったのがきっかけだった。

「小学校4年生から高校卒業まで親の仕事の都合で米国にいました。ぜんそくもあって不安も多く、当初は病気を抱える人たちのために日本語が分かる米国初の薬剤師になりたいと思っていたんです。でも、数年後近くに日本人の薬剤師が登場して(笑)。初になれないならいいやと思いました。

次に感じたのは薬には国境がないということ。どこの国の製品かは関係なく、良い薬なら誰でも欲しいし開発に協力する。そこでこそ帰国子女の強みを発揮できると思い、日本生まれの薬を世界に届ける仕事がしたいと、日本に帰国して勉強することを決めました」

櫻木友紀さん キャリアコンサルタント、組織開発&エグゼクティブ コーチ
1971年生まれ。東京理科大学薬学部製薬学科卒業後、エーザイで欧米向け医薬品開発に従事。ソニー(現ソニーグループ)で派遣社員として国際展示会や国際学会の事務局を経てファイザーに入社、医薬品開発と兼務で人材育成計画のリーダーに任命される。規制当局の国際部門に転職したのち、キャリアコンサルタントの資格を取得、2018年に独立。ICF-ACC認定コーチ

当時、日本で帰国子女の受験枠を持つ薬学部は数校しかなかった。そこで櫻木さんは自分で大学に手紙を送り、「2年後に帰国するけれど日本のカリキュラムの教育を受けていないので、日本の学生と同じ試験内容では受けられない。帰国子女枠をつくってください」とリクエストし、制度を作ってもらったという。

「これも母が『困っているなら投書すれば?』とよく言っていたからだと思います。自分から言わなければ変わらない米国で自分で道を切り開くようにすることを教育されてきたのかもしれませんね」

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