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キャリア論を専門とする法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔教授(通称・タナケン先生)が主体的に仕事や働き方の選択肢を考える「キャリアオーナーシップ」について、その道の第一人者と対談する連載「『キャリア』は誰のもの」。今回の対談相手は早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授。メディアに引っ張りだこの新進気鋭の経営学者にキャリアのあり方がどう変わるのか聞きました。

――これからは自分自身の人生設計を組織に委ねるのではなく、自分で考え、デザインするキャリアオーナーシップが一気に普及すると考えています。

「終身雇用制度はもう終わり。メンバーシップ型からジョブ型の雇用体系に移行しています。今の20代はキャリアオーナーシップ的な考え方は当たり前だと捉えていますが、30代後半以上の世代になると認識できていない人もいます。私は今、ロート製薬の社外取締役を務めていますが、超人気の大手広告代理店の内定を蹴って、『こんなキャリアを身につけたい』とあえてロートに入社してくる新卒もいます。ただ、大手企業や公務員が安定しているという若手も依然多く、二極化しています」

――確かに20~30代は自律型のキャリア形成を始める人が増えていますね。

「転職支援サイトのビズリーチを運営するビジョナル社長の南壮一郎さんがよくこんな話をします。人生100年時代になると、人々は20代から60年間は働くことになるけど、今や会社の平均寿命は20年しかない。少なくとも2回は転職しなくてはいけない。しかも産業構造が劇的に変わる。新型コロナウイルス禍でZoomなどを活用したオンラインミーティングが普及していますが、自動翻訳機能も導入され、例えば日本人とドイツ人がそれぞれ母国語で対話しても、それなりに意思疎通できるようになるわけです。日本の大学なんて最も影響を受けます。言語の壁があって、これまで成り立ってきたサービス業は壊滅してしまう」

――身につまされますね。今の20代は自律型のキャリア形成ができ、30代の中堅も学び直して、主体的にキャリアをつくる人も出てきた。そんな中で40代後半のミドルシニアは変われますか。

「日本企業は人材の流動性が高くいない。大手はすぐつぶれたりしないので、有能な幹部人材はなかなか外に出ていかない。ユニリーバ・ジャパンの人事総務本部長の島田由香さんは『人は変えられないけど、自分は変われる』とよく話しています。いくら会社側が変われ、変われと言ってもダメで、自分で気づきを得て、腹落ちしないと変われない。殻を破るためにも、多様性のある社会に身を置くのが最も効果的でしょうね」

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