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インターステラテクノロジズの仲間たちと(前列左端が稲川貴大・同社社長、隣は堀江貴文氏)

インターステラテクノロジズの仲間たちと(前列左端が稲川貴大・同社社長、隣は堀江貴文氏)

インターステラテクノロジズ(IST)は「誰もが宇宙に手が届く未来を作る」をビジョンとして設立されたロケット開発を行う宇宙ベンチャーだ。2019 年、国が打ち上げる費用から1桁安いコストで小型ロケットを宇宙へ飛ばすことに成功。日本の宇宙開発の歴史に新たな1ページを刻んだ。社長の稲川貴大氏(34)は埼玉県立浦和高校から東京工業大学に進学。同大大学院を修了し大手メーカーに就職する直前、ISTの創設者である堀江貴文氏に出会い、宇宙事業に人生を賭ける決意をした。

埼玉県立浦和高校時代の「工芸部」でモノ作りに目覚め、東京工業大学入学後は人力飛行機作りに没頭。「鳥人間コンテスト」(読売テレビ放送主催)優勝を目指した。やがてロケットの世界に足を踏み入れる。

2007年、僕が2年生の時に東工大のチーム「Meister(マイスター)」は鳥人間コンテストで5年ぶりの優勝を果たしました。翌年は3年生になった僕たちがいよいよ主役です。僕は設計主任として図面を描き、強度計算や空力飛行の解析をして、さらにパーツ作りの工程を管理をしながら自分でも手を動かしました。ほぼ完璧なものができあがり、チーム一同「連覇は間違いない」と確信しました。

ところが当日、よりによって僕たちのチームの順番が回ってきた時にその日一番の強風が吹いて、結果は4位。優勝したのは東北大のチームでした。自分が設計した機体は歴代最高だと確信していただけにショックは大きく、かなり長い間、負けた悔しさを引きずっていました。でも僕がその頃ブログで公開していた設計指針や製作のノウハウを、今、現役で鳥人間コンテストに挑戦している人たちも参考にしてくれているらしく、それはとてもうれしいですね。

鳥人間コンテストが終わった後、3年の秋からは鳥人間の仲間とは別の友人たちとロケットサークルを立ち上げました。ちょうどその頃、ニコニコ動画で北海道大学と植松電機が共同でハイブリッドロケットを飛ばす「CAMUIプロジェクト」を見て、感激したのがきっかけです。実は東工大でも大学の付属科学技術高校の生徒たちとハイブリッドロケットを作るプログラムを授業の一環としてやっていました。彼らが鳥人間のチームの目の前で作業をしていたので、もともと興味はあったのです。

東工大のサークルの中で本格的なロケット作りを始めたのは自分たちが初めてだったので、東海大や和歌山大、秋田大、北大、さらに「なつのロケット団」にも押しかけて、いろいろ教えてもらいました。「なつのロケット団」は、インターステラテクノロジズの前身で、05年にエンジニアや科学ジャーナリストなど宇宙好きの有志が作った団体です。猛勉強した甲斐あって、半年から1年くらいで自分たちでロケットを作れるようになりました。

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