変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

これからの消費をけん引する存在として、1990年代半ば以降に生まれた「Z世代」の価値観や行動に注目が集まっている。そんな彼らに刺さるクリエイティブな商品やサービスで次々とヒットを飛ばしているのが、企画・コンサルティング会社「僕と私と」(東京・渋谷)最高経営責任者(CEO)の今滝健登さん(24)だ。同世代の意見を発信して実績を重ね、ゆくゆくは大学教授を目指すという。自らを「Z世代の企画屋さん」と名乗る、そのアタマの中をのぞいてみた。

なりたかったのは家庭科の先生

同社がプロデュースした代表的な商品に、宅飲み向けすごろくゲーム「ウェイウェイらんど!」がある。

若者に人気のユーチューブチャンネルに取り上げられると総再生回数は2000万回を超え、第2弾を発売するほどの人気商品となった。他にも性別の枠を超える「ジェンダーニュートラル」をコンセプトとしたメンズネイルサロンの企画、人気ユーチューバーが主演するウェブドラマの制作など、手掛けたプロジェクトはSNS(交流サイト)上で人気を呼び多くのメディアに注目された。最近は大手企業や自治体から直接指名でオファーが届くことも多い。

僕と私とCEOの今滝健登さん

僕と私とCEOの今滝健登さん

そんな今滝さんだが、もともとビジネスをするという考えは一切なく「ずっと学校の先生になるつもりだった」。横浜国立大学教育人間科学部に進学後、教員免許の教科を選ぶ際に被服、食物、住居、家庭、保育という日常生活のすべてに関わる家庭科に興味を持った。そして小中高の学校教員ではなく、最終的に家庭科教育の大学教授になることを目指した。

しかし教育実習で実際に現場を経験してみると「今の教育界には変革が必要で、ビジネス側からもアプローチしなければならない」と感じた。急きょ卒業後の進路を教職からビジネス側にシフトし、企業への就職活動を開始。大学3年の終わりに、外国語指導講師派遣大手のリンク・インタラック(東京・中央)から内定を得た。同時に、入社するまでの間は起業にも挑戦した。「人事も経理も営業もすべてを自分でやる必要があり、効率よくビジネスの勉強ができる」と考えたからだ。

そして内定を得た翌日、花を贈って日本の幸福度を上げる「花贈り」という事業で起業する。経営は順調で、就職する前から初任給を上回るほどの収入が得られるようになっていた。入社したばかりの頃は「生意気なキャラで、会社で実績を残してトップに上り詰めようという野心もあった」という。ただ、転機は思わぬところからやって来た。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック