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新年度がスタートし、普通ならば社会全体が積極モードになる時期です。しかし、新型コロナウイルスの感染症は収束に向かっているとは言い難く、ロシアとウクライナの戦争は長引き、物価も高騰するなど、時代は不透明さを増しています。そんな中でも、転職市場は活発です。この不透明な時代、採用側の企業や経営者から見て、転職市場で求められる幹部やリーダーの条件を5つにまとめてみました。あなたはどれくらいあてはまりますか?

「楽しそうで、ツイている」リーダーに人は集まる

先日、コロナ禍で打撃を受けている業界ながら、新たな販路を次々と立ち上げ、その中の2つ、3つがヒットして売り上げを伸ばすことに成功している経営者の方とお話をする機会がありました。

「長引くコロナは御社にとっても本当にしんどいですよね」と私が水を向けると、その経営者は「コロナがなければ、こんな(新たな)販路を作ろうなんて思いもしなかったですし、結果その分の売り上げもお客様とのご縁もなかったですからね」と困難な状況の中でも前向きな姿勢を崩しませんでした。

社内外を見渡してみてください。もやもやした時代ではありますが、それをもろともせずに困難な状況をむしろ楽しんでいる人がいませんか?

こういう時期だからこそ、企業や経営者が求める幹部・リーダーのタイプは「周囲によいオーラを振りまいてくれる人」です。

困難な時代だからこそ明るく(写真はイメージ) =PIXTA

僕はセミナーや講演でいつも、「結局のところ、いついかなるときにおいても、楽しそうで、ツイているリーダーに人は集まってくるものです」という話をしています。

では、どのようなリーダーが「楽しそうで、ツイている」ように見えるのか? ポイントをまとめてみました。

1:仕事の中に楽しめるテーマを持っており、のめり込んでいる
2:周囲に感謝し、チームで動いている。結果、巻き込み、任せることがうまい

先の経営者も、まさにこのようなタイプの方です。環境うんぬんではなく、ご自身が自らテーマを設定してコミットしているものがある。それにのめり込んでいる人は、生き生きとしていますし、充実した仕事時間を送っています。こういう人がいてくれると、会社のエネルギーも高まりますし、全体が前向きになりますね。

さらに、自分だけでなく、同僚や部下たちのモチベーションも上げて巻き込んでいくリーダーシップを持っている人であれば、経営者や企業からすれば非常に頼もしい人材に映るはずです。

混迷期には具体的な手立てを繰り出せるリーダーが頼り

「好況期」と「不況期・混迷期」では、経営者やリーダーに求められるものは異なります。好況期にはよくも悪くも抽象的な夢を語ったり、イメージを膨らませたりすることが望ましく、またそれでOKな部分があります。それに対し、不況期・混迷期においては何よりも具体的かつ即効性のある対処策が打てるかどうかが問われます。

「こういう時期にこそ、全社一丸となって危機に立ち向かおう!」「みんなで知恵を出し合って、コロナを乗り切る策を打とうじゃないか」。掛け声としては良いかもしれませんが、トップやリーダーのメッセージがこの程度では、危機脱却は運任せか、現場の誰かからラッキーボーイ・ラッキーガールや救世主が現れてくれるのを祈るしかない、ということになってしまいますよね。

「新規営業はいったんすべてストップして、お取引中の全クライアントに対して、今月内で、現在の状況とお困りごとについて一斉ヒアリングを掛けよう」「まずは来期いっぱいまでで、Aシステムを導入くださっている顧客に対してBオプションのご案内を完了しよう」。不透明性の高い時期に企業や経営者が求めたいのは、このような具体的な提案をできて、かつ取り組める「強いリーダー」です。

ポイントをまとめると、以下のようになります。

3:ビジョンや中期(10年)テーマだけでなく、1〜3年のクリア目標で動いている
4:まず「いかに自分の能力や経験を発揮し成果に結びつけられるか」を考え行動しており、それにプラスして「成長できるか」の視点も持っている

「ビジョンなき行動は悪夢、行動なきビジョンは白昼夢」とも言われますが、最近はMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパス(存在意義)の重要性が強く説かれるようになりました。目指すべきものや信念、大義、WHY(理由)なき行動は確かに悪夢です。しかし同時に、いくらパーパスやMVVを唱えても、それを具現化する行動がなければむなしいだけですし、何よりも企業としては事業が成り立たず倒産の憂き目を早晩見ることになるでしょう。

具体的であるということは、事業推進に対してのみならず、リーダー自身の行動についても同じく言えることです。実際問題、自分が持つ「武器」は何で、それは事業のどの部分に役立てることができるのか。今後のために、自分はどのような武器を新たに手に入れることが有効であり、また手持ちの武器の中のどれを磨き込むことが効果的なのか。

常にそうした視点で行動、取り組みテーマを決め、動いているリーダーが強いですし、そうしたリーダーをこそ企業や経営者は喉から手が出るほど欲しています。

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