「それに対して口コミサイトは、第三者からの情報を基にいい内容も悪い内容も掲載しており、立体的に企業を見ることができます。SNSの時代だからこそ、チェックしてほしいと思います」
年に1度、健康診断のように転職活動を
――転職は新卒就職と異なり「今は業界・企業研究期間」といったスケジュール感や、インターンシップ等で企業を知る機会もあまりありません。口コミを積極的に見ることも含めて、主体的に動くためのコツはありますか。
「海外では、自分の履歴書を常に公開・更新し、それに対して送られてきたスカウトをもとに転職することが珍しくありません。そのような文化が根付いていない日本では、日常的に自分で自己分析や企業分析を進めるというのは正直なところ、難しいでしょう」
「では、どうすれば自分について考えたり企業を調べたりする機会を作れるのか。私は新卒1年目から年に1度、転職活動をすることをおすすめしたいです。転職エージェントに登録して面談をしたり、転職サイトに登録してどんなスカウトが送られてくるかを楽しんだりすることです。今すぐ転職する気がなくてもかまいません。どんな職種で、どんな年収のスカウトがくるのか。興味がある業界で働くにはどんなスキルが求められるのか。自分が思い描いたような年収額が提示されているか。面談をすれば、自分に足りていないものは何か、これから学ぶべきことは何か、率直に指摘してもらえるでしょう。年に1度、健康診断のようなイメージで、自分の市場価値を測る手段を定期的に作ってみてください。日々の仕事でも、与えられた目標をこなすだけではなく、自分の価値を上げていくことも目指すと、おのずと楽しくなってくると思います」
大澤陽樹
オープンワーク社長。東京大学大学院卒業後、リンクアンドモチベーション入社。中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティング事業のマネジャーを経て、企画室室長に着任。新規事業であるインキュベーション(ベンチャー投資)事業やモチベーションクラウド事業の立ち上げ、経営管理、人事を担当。2019年11月オープンワーク副社長に就任、20年4月より現職。
オープンワーク社長。東京大学大学院卒業後、リンクアンドモチベーション入社。中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティング事業のマネジャーを経て、企画室室長に着任。新規事業であるインキュベーション(ベンチャー投資)事業やモチベーションクラウド事業の立ち上げ、経営管理、人事を担当。2019年11月オープンワーク副社長に就任、20年4月より現職。
(日経転職版・編集部 木村茉莉子)