「嫌いな味が1つでもあれば、買ってもらえない」

最初の4種にラインアップされていたキャラメルとコーヒーは、66年にパイン、アーモンドに切り替わった。それ以降は基本的に4種の味は大まかには変化していない。「試しに入れてみよう」と、少しユニークな味に挑戦したことや、コーヒーなどを一時的に復活させたこともあるが、結局は今の4種に戻ってきたという。

そんな試行錯誤の中でひっそりと消えていったフレーバーもある。「93年にグレープ(ぶどう)味を入れたことがありましたが、なぜか香りが強くて、パッケージの中がグレープの香りだけになったのです。『これはいかん』と、すぐに元の4種に戻しました」と菊池氏は苦笑する。ほかにも、2007年に発売した「ルック エキゾチック ア・ラ・モード」では当時、南国のフルーツとして流行していたパッションフルーツ味を入れてみたが、これも評判が良くなくて早々にあきらめたという。

不二家の菓子事業本部営業本部の菊池祐一商品企画部長

商品開発畑の長い菊池氏は、ルックの難しさを、「購入者が嫌いな味が入っていると買われなくなってしまう点です。1つでも嫌いな味があると、敬遠されてしまう。だから、1つのパッケージに盛り込む組み合わせと、4種のバランスが極めて重要になります」と語る。

実は4種のフレーバーについては2年おきに「どの味が好きか」というアンケート調査を実施している。好まれる順番は年代で移り変わってきた。当初は1位がストロベリー、2位がバナナ、3位がアーモンド、4位がパイン味だったという。だが、14年以降は1位と2位が入れ替わり、バナナが首位になっている。

「だからといって、3位や4位を変えようとすると売れなくなる。商品企画の担当者としては、全てをフルーツ味で統一したくなるところもあるのですが、そうなると売れなくなるから不思議なんですよね」と、菊池氏はルックの難しさを解説する。この「バランスの妙」も、他社が安易に参入しても越えられない壁になっているようだ。

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「ありきたり」を避けて、個性磨く