今こそ、女性が連帯を ADB副官房長・児玉治美ダイバーシティ進化論

2022/1/29

日本駐在を終え、昨年12月末にフィリピン・マニラのアジア開発銀行(ADB)本部に帰任した。貧富の差が激しく、コロナ禍で貧しい人、特に女性への経済的打撃が大きいフィリピンだが、男女格差を測る世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数2021」では世界156カ国中アジアで最高の17位だった。女性の活躍という意味では見習うべき点が多い国だ。

22年を迎えて思うのは、ジェンダー平等への戦いはまだまだ終わっていないということだ。日本ではジェンダー問題に注目が高まる一方で「フェミニズム離れ」する若い女性も少なくない。背景には露骨な女性差別を感じる機会が減っていることがある。

しかしジェンダーギャップ指数は先進国で最下位の120位。管理職の差は139位、専門職や技術職の差は105位、収入格差は101位など、経済分野だけ見てもスコアが著しく低い。政治分野では147位と、課題は山積している。

ジェンダー平等の実現には、男性を糾弾するのではなく、男女間の協力を強化する必要がある。同時に、女性同士が助け合い、すでに活躍している女性が他の女性を引き上げる努力を惜しまないことが重要だ。

米国初の女性国務長官、マデレーン・オルブライト氏は16年にヒラリー・クリントン大統領候補を支持する演説で「助け合わない女性は地獄で特等席が用意されている」と発言した。女性同士が足の引っ張り合いをやめ、上の世代がロールモデルとなり下の世代を引っ張る責務を果たすべきだとの考えに私も賛同する。

写真はイメージ=PIXTA