自分がどうありたいか ビジョン描く起点は過去の経験ポジウィル代表 金井芽衣さん(下)

金井さんはキャリアアップに不可欠な思考法を語った

キャリア支援サービスを手掛けるポジウィル(東京・港)の代表の金井芽衣さんは、転職を検討する前提として「自分はどうありたいか」というビジョンを明確にしておくことが大切だと語る。ただ、不確実性が高い未来についての見通しを立てるのには難しさも伴う。どんな手順で考えていけばいいのか。ビジョンをどう行動に落とし込んでいくのか。キャリアアップに不可欠な思考法について語ってもらった。

未来を考えるヒントは過去にある

――「自分がどうありたいか」を見極めるにはどのようにアプローチしていけばいいのでしょうか。

今の自分を起点に未来を考えようとすると、うまくいかないことも多いと思います。実は未来を考えるヒントは過去にあります。例えば今、職場の上司との関係がうまくいっておらず、困っているとします。漠然と「これからどうする?」と自分に問いかけてみても、なかなか良い答えは浮かんできませんよね。「こんなことさえ決められないなんて。自分は駄目な人間だ」などと結論付ける前に、過去にも同じような経験がなかったかどうかを振り返ってみてください。

もしかすると、あなたは元来、物事の進め方について「こうしなさい」と頭ごなしに押し付けられるのを嫌う性格だったかもしれません。その場合、「上意下達」が当然の組織に身を置いていたら、周囲と衝突しやすくなるのは当然です。転職するならフラットに意見を交わし合える環境を選んだ方がいいでしょう。

あるいは、いま取り組んでいる仕事が向いていない場合もあると思います。学生時代から細かな作業が苦手だった人が、膨大なデータ管理の仕事などを任されているとしたら、どうしてもミスが出ます。苦手なことを頑張っても、それがもともと得意な人に追いつくには時間がかかります。上司からの印象も悪くなりがちです。この場合は転職の際、職種転換を検討する必要がありそうです。

このように、今の自分が「つらい」「嫌だ」と感じることの背景を逃げずに分析してみると、「自分は本来こうありたかったのだ」という願いが見つかります。次のキャリアはその願いをかなえるにはどうしたらいいかという視点で考えていくのが正攻法です。

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