インターネットを閲覧するためのウェブブラウザーは、パソコンで最もよく使うアプリでしょう。それだけに、より便利で快適なものを選びたいところ。筆頭候補は「Chrome(クローム)」と「Edge(エッジ)」。日常的な操作や注目機能を取り上げて、両者の実力と使い勝手を11回にわたって比較検証します。
ウェブ上でPDFが公開されているケースは多い(図1)。PDFのリンクをクリックすると、ChromeでもEdgeでもブラウザー上で直接PDFが開かれ、そのまま閲覧できる。だが、その使い勝手はEdgeが先を行く。
図1 ウェブ上で公開されているPDFファイルは、リンクをクリックすることで、ブラウザー上で直接開いて閲覧できるページのサムネイル表示や「しおり」(目次)には両ブラウザーとも対応(図2)。異なるのは「見開き表示」と「注釈」の機能だ。いずれも見開き表示はできるが、表紙を除外できるのはEdgeのみ(図3、図4)。ただしChromeもEdgeも、右綴じ(縦書き)のPDFの見開き表示には対応していない。またChromeでは注釈機能で付けられたコメントなどを表示できるだけで、新たに追加はできない(図5)。
図2 両ブラウザーとも、PDFを開くとページ上部にメニューが現れる。左端にあるボタンをクリックすると(1)、画面左側にページのサムネイル(2)や「しおり」(3)を表示することが可能。それらをクリックして目的のページに移動できる。なお、しおりはPDFに設定済みの場合のみ表示される
図3 Chromeでは、メニューの右端の縦3点のボタンをクリックして「2ページ表示」を選 ぶと(1、2)、見開き表示にできる。ただし、表紙のあるPDFでは見開きが 1ページずつずれ、左右のページが合わなくなる(下)
図4 Edgeでは、「 ページ表示」をクリックして「2ページ」を選ぶと(1、2)、「表紙を別に表示」というオプションが現れる。これをオンにすると(3)、表紙を見開きから除 外するので、正しく左右の合った見開き表示にできる(下)
図5 EdgeはPDF 特有の注釈機能にも対応する。文字列を選択して右クリックし、「ハイライト」を選ぶとマーカーで色付けできる。「コメントを追加する」を選べばメモ書きも可能だ。なおマーカーやコメントを追加したPDFを保存するには、「上書き保存」ボタンをクリックしてファイルとしてダウンロードする必要がある[日経PC21 2023年3月号掲載記事を再構成]