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改正・育児介護休業法の施行によって10月から創設された「産後パパ育休」(出生時育児休業)制度。従来の育児休業よりも柔軟な仕組みとなっていますが、これを契機に男性の育休取得率は高まっていくのでしょうか。昨今は、女性が結婚相手に求める条件の1つに男性の家事・育児能力という調査結果も。育児のスタートラインとなる産後パパ育休は、そうしたスキルを高めるチャンスになるとも期待されるところです。

産後パパ育休の3つのポイント

法改正の目玉として注目されている産後パパ育休ですが、従来の育休とどのような違いがあるのでしょうか。産後パパ育休の特徴として、3つのポイントを確認しておきましょう。

(1)主として男性を対象としている

対象となるのは、「産後休業をしていない労働者」です。女性の場合、出産後に産後休業が入るため、主として男性を対象としています。ただし、養子等の場合は女性も対象となる点に留意したいところです。なお、一定の要件を満たせば、契約社員ら有期雇用の場合も取得できます。

(2)対象期間・日数が限定されている

産後パパ育休は、原則子の出生後8週間以内に4週間(28日)まで、分割して2回まで取得できます。特別な事情による3回目の取得や延長は認められません(さらに取得したい場合は、従来からの育休を申し出ることが可能)。

(3)休業中に就業が可能

労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することができます。ただし、就業可能な日数等には上限があり、休業期間における所定労働日の半分・所定労働時間の半分までと定められています。

「これまでの育休でも働くことができたのでは?」と思う方もいるかもしれません。それはあくまでも子どもの養育をする必要がない期間に限り、労使で話し合いのうえ一時的・臨時的にその事業主の下で就労する場合に限られます。これに対し、産後パパ育休中については事前に労使で調整して就業可能日・時間を取り決める点に大きな特徴があります。

しかし、休業中は本来、就業しないことが原則ですから、休業中の就業を会社側が認めないことも可能です(その場合は労使協定の締結は不要)。会社からのメッセージとして、休業中はしっかりと育児に取り組んでほしい、という場合もあるでしょう。スタンスは企業ごとに異なります。

一方、人手不足に悩む中小企業などにおいては、産後パパ育休中の就業を可能とすることで、男性社員が休業をしやすくなるという面もあります。特に今はリモートワークで自宅からオンライン会議に参加するなど、自宅で数時間働くことが可能なワークスタイルも現実的な選択肢となっています。仮に最大28日間の産後パパ育休を取得したとしても、家事や育児に大きな負荷のかからない程度に業務をサポートできるならば職場としてもメンバーの休業を受け入れやすい、というケースは十分に考えられるでしょう。

写真はイメージ=PIXTA

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