週末の外出も私がいた頃は中学生は午後から、しかも制服でなければならず、門限は午後5時。行き先はほとんど電車で30分くらいの岡山駅周辺です。でもいかんせん制服ですから、ゲームセンターなどには行けず、日用品を買うとか映画館に行く程度でした。時にはカラオケなどに行くために、駅のトイレでこっそり私服に着替える生徒もいました。

規律や礼法を重視する校風。息苦しさを感じることもあったが、「結果として、自己と向き合い、自立心を確立するのに役立った」と振り返る。

岡山白陵時代は中高通してバレーボールに打ち込んだ(左から4人目が岩岡氏)

受験の時点でここまで厳しい規律の学校だとは思っていませんでした。でも今振り返って、そういう環境で6年間を過ごしたことは私にとってはとても良かったと思います。理由は2つあります。1つ目は、私は寮で暮らしていたため自分と向き合う時間がたっぷり持てたことです。親元で暮らしていれば、どうしても親の影響を受けるでしょうし、親が身の回りの世話をしてくれたり、指示をしてくれたりするでしょうが、寮生活は全て自分で決めなくてはなりません。それは、アイデンティティーの確立や、自分と向き合い人生で成し遂げたいことをじっくり考える上で、とても役に立ったと思います。

2つ目は、岡山白陵は非常に厳しい学校ではあるのですが、しゃくし定規に厳しいわけではなく、前向きな頑張りのためであれば、ルールを緩めてくれる柔軟性があったことです。私は高1から岡山市を拠点とする国際医療ボランティア団体「AMDA(アムダ)」の高校生会に所属し、カンボジアで学校をつくるための募金活動やフリーマーケットの企画などをしていたのですが、その打ち合わせに出ると門限の5時には間に合いません。そこで学校側と交渉すると「頑張っているのだから」と私だけ活動のある日は門限を7時に延ばしてもらえました。

また、携帯電話の持ち込みも禁止でしたが、AMDAの活動やアメリカのホームステイプログラムに参加する際にホストファミリーと連絡するのにメールが必要だったので、校長先生に直訴した際も、「寮監のいるところであれば使ってよし」とルールを変えてもらえました。

先生方は「これからの日本をリードするエリートを育てる」という自負を持って教育に当たっているので、生徒が熱意を持って何事かに挑戦したいと意思表明をすれば、全力で応援してくれます。自分の意思を持ち、それを真摯に伝え相手を説得することができれば、物事は動くのだというのを体感できたのは良かったですね。