経済的に自立できればそれに越したことはないが…

わかりやすい選択肢は、働かなくても済む状況を作り上げることです。株などにコツコツ投資を進め、一定額以上の金融資産にまで育てることができれば、配当金や資産の取り崩しだけで生活することも可能になります。

数年前からFIREと言われる言葉が聞かれるようにもなりました。Financial Independence ,Retire Earlyというキーワードの頭文字をとった言葉です。経済的に自立して早期退職しましょう、という動きです。

経済的自立に必要な金額は人それぞれですが、2019年6月の金融庁金融審議会報告では、年金に加えて2000万円程度の資金が必要だという記述がありました。

60歳よりも前に引退するならもちろん、より多額の資金を貯めなければいけません。仮に目標額が2000万円だとしても、月10万円ずつ貯めても200カ月。およそ16年超の期間が必要なわけです。

株式投資などでうまく増やすことができればそれより短い期間で到達することも可能でしょうが、長期間の運用だと予想外の景気変動が来る可能性も高く、なかなか思惑通りにいかない可能性もあります。

少なくとも減給されない働き方を考えてみる

定年後の給与減額が問題だとすれば、定年を迎えても給与が下がらない働き方、という選択肢もあります。

会社の中で働くのであれば、取締役などの定年年齢が遅めのポジションにまで出世することが一つの手段です。ただ、狭き門であるため、誰もが目指せる手段ではありません。

仮に同一労働同一賃金の流れにあわせて年齢を問わない活躍を許容する人事制度改革を進めている会社にいるのであれば、常に専門性を更新し続けるという手段もあります。昨今聞かれるようになったリスキリング(学び直し)はそのための具体的取り組みです。50代をすぎてもデジタルツールを使いこなし、ITスキルをもって業務の変革やビジネス創造に貢献できる人材であれば、年齢を問わず活躍し続けられる可能性もあるでしょう。

ただ、従業員として雇用されている限り、どうしても年齢という制限は適用されがちです。

そこでフリーランスのように、自営業者として業務委託契約を結び活躍する手段もあります。不安定にはなるのですが、必要なタイミングだけ業務を受託するなど、生き方の自由度を高めることも可能です。フリーランスの場合、実務にあわせた学習を繰り返してゆくことで、業務経験そのものをスキル化できる可能性もあります。そうなれば定年という言葉とは無縁の、生涯現役が実現できます。

それ以外にも、起業家として事業を立ち上げる選択肢もあります。すでにある企業の取締役に出世したとしても、多くの会社で定年があります。しかし自分が立ち上げた会社では、望む期間ずっと働き続けることもできます。これもまた生涯現役の一種です。

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生涯現役のためのスキルは目の前の仕事からも得られる
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