――昭和の職場では「言わなくても分かるだろ」で済んだ問題のように思えますが。

「世代変化が底流にあると思います。右肩上がりで成長している時代は社歴が長くなるにつれ、役割が徐々に重くなり、働きがいが高まりました。そんな先輩のロールモデルが身近にあったので、わざわざ上司が口頭で説明する必要もありませんでした。でも今は将来がどうなるのか、分からない状況。自動的な昇進・昇格が約束されているわけではなく、10年後、20年後に自分が社内でどうキャリアを積むのかが読めません。だからこそ、その都度、仕事へのフィードバックをきちんと本人に伝える必要があります」

「『分かっているだろ』は通用しません。仕事を評価するときも『頑張っているね』のような抽象的な言葉では不十分です。上げた成果のどこがどう良かったのか。働きぶりを同僚や社内も評価していたのなら、『A部長も褒めていた』などと具体的に伝えることが効果的です」

――コロナ下でリモートワークが広がり、対面コミュニケーションが難しくなっています。胸の内を語り合う機会はますます減っています。

「コロナ前なら、顧客を訪ねる道すがらで上司と若手が会話する機会が自然とありました。商談や打ち合わせがオンラインに切り替わっている今はそんな時間もありません。『困ったらいつでも話しに来てよ』という上司も少なくありません。でもそれではダメです。最近の若手であるZ世代は空気を読む力に長(た)けています。『いつでも』と言われても、実際には上司は日常業務に追われて多忙のはず。その様子を見ている若手は、迷惑をかけまい……と空気を読み、自ら上司のもとにやってくることはありません」

「少なくとも月1回、できれば隔週で30分~1時間ほど話す機会を持つべきです。いわゆる1on1の面談です。その都度スケジュール調整をするのは大変ですし、多忙を理由に延期や中止になりがちです。第1、第3月曜の午後3時などと事前に面談スケジュールを固定するのが理想です」

(編集委員 石塚由紀夫)

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