日経Gooday

答えと解説

正解は、(3)240~300kg です。

写真はイメージ=123RF

立つ、座る、かがむ、歩く――私たちが日常で何気なく行っている姿勢や動作は、「股関節」によって支えられているところが大きいのですが、それを意識している人は少ないかもしれません。

日本股関節研究振興財団理事長で、上馬整形外科クリニック院長の別府諸兄先生はこう話します。

「人間が2本の足で立ち、歩くために、最も重要な役割を果たしているのが『股関節』です。股関節に不具合が生じると、その可動域が狭くなったり、痛みが出たりすることで、体を動かすのがおっくうになってしまう。すると、股関節周辺の筋肉が衰え、姿勢の維持や歩行が困難になり、日常生活に支障を来すようになります」(別府先生)

人が両足で立っているときには、左右の股関節にそれぞれ体重の2分の1の負荷がかかっています。片足で立つときには、体重の4分の3の負荷がかかります。歩き出すと加速度が加わって体重の4~5倍の負荷が、階段の上り下りを行うときには体重の6~7倍の負荷が、跳躍するときは体重の12倍もの負荷がかかることになります。

つまり、体重が60kgの人の股関節には、片足立ちで45kg、歩くと240~300kgもの負荷がかかることになります。常に負荷がかかり、日常の動作を行う上で要となる股関節は、それだけダメージを受けやすい関節といえます。

「股関節には、生まれつきのものから後天的なものまで、さまざまな疾患が存在します。その数は30以上あり、他の関節に類を見ません」(別府先生)

さらに、股関節は周辺の筋肉や骨盤、腰椎(腰の背骨)などとも連動しているため、その影響も受けやすいのが特徴です。「例えば、股関節やその周辺の筋肉・骨などが衰えると、それが原因で腰痛になったり、転倒しやすくなったりするのです」(別府先生)

股関節の痛みや違和感が強くなり、立ったり歩いたりする基本的な動作が困難になってしまうと、自身の股関節と人工の股関節を置き換える手術が必要になります。しかし、そうなる前に股関節をいたわり、その周辺の筋肉・骨の健康を保つようにすると、自分の足で「歩く力」を維持でき、できるだけ自立した生活を長く送ることが可能になるのです。

(図版作成 増田真一)

この記事は、「健康長寿の要! 『股関節』を鍛えて生涯現役の体をつくろう」(田村知子=ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday2022年8月1日付記事を再構成]

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