2022/1/22

私自身、9月に初めて出産し、残念なことに「子育ては女性の役割」という価値観が社会に根強く残っていることを痛感する。周囲から「これからは仕事はほどほどにね」とアドバイスされるが、私の夫はそう言われない。私の住んでいる地域でもらえるのは母子手帳であり、「親子手帳」ではない。

日本はジェンダーギャップ指数が156カ国中120位と、先進国で最下位レベル。ギャップの小さい欧米でも完全な男女平等は難しいが、とりわけ日本女性を取り巻く状況は厳しい。

批判を受け、広島県はハンドブックの内容を改訂する見通しだという。SNSの普及で私たちは声を上げやすくなった。おかしい、と思うことについて遠慮なく表明できるようになったのは時代の進歩だ。トライアンドエラーもあるが、こうして社会の価値観を着実にアップデートしていきたい。

スプツニ子!
アーティスト、東京芸術大学デザイン科准教授。インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科、情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA)デザイン・インタラクションズ専攻修士課程修了。RCA在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映した映像インスタレーション作品を制作。2013年マサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教に就任。その後、東京大学生産技術研究所特任准教授を経て、19年から現職。

[日本経済新聞朝刊2022年1月17日付]