Men's Fashion

TOKIO松岡昌宏氏 エンタメ視点で日本のものづくり発信

SUITS OF THE YEAR

スーツ・オブ・ザ・イヤー2021 受賞者インタビュー(4)

2021.11.24

「企画を主導して考えるのは国分です。そして、城島にハンコ押させる。僕はいればいい。城島は水戸黄門で、僕ら助さん、格さんがいればなんとかなる(笑)」 撮影:筒井義昭

「SUITS OF THE YEAR 2021」のアート&カルチャー部門受賞者はTOKIOの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さんだ。1994年にバンドでデビューし、タレント、俳優として活躍する傍ら、2021年4月に株式会社TOKIO(東京都港区)を始動させた。ジャニーズ事務所内独立というユニークなビジネスモデルで活動の幅を広げ、日本のものづくりを発信。長年携わってきた東北の復興支援や町おこしを通じて得た知見を生かし、エンターテインメントの視点で周囲を巻き込んで“みんなでつくる”ビジネスを展開する。会社のホームページを開けば、スーツ姿で一歩を踏み出す3人の姿が目に飛び込んでくる。




社長には城島さんが就き、国分さんが企画担当副社長、松岡さんが広報担当副社長と役割を分担。対外的な発信は主に松岡さんが担う。この日はビジネスパーソンらしいスタイルで、渋さがにじむグレーのチョークストライプのスーツを着用。美しい身のこなしでポーズが決まり、一段とスーツが映える。

「(スーツの印象は)『007』っぽい……。刑事でいえば捜査1課よりもキャリア。そんな役が選ぶであろう大人のスーツですね。僕はスリーピースが好きなのですが、株式会社TOKIOとして動く時はこれくらいのスーツがいい。僕がスリーピースを着ると会長みたいになってしまいますから」

中学生時代、紫のスーツでレッスンに

松岡さんといえばどんな役にも染まる演技力で高い評価を受け、最近のドラマでは『密告はうたう 警視庁監察ファイル』の監察係、『死役所』の死者に対応する案内係などスーツ姿が印象的な主演作も多い。

「大人のたしなみでスーツを選ぶというのではなく、気がつけば、与えられた役に合わせて様々なスーツを着る仕事が増えていました。007のジェームズ・ボンドのように、スーツというのは、その人の生活とか働いているバックボーンが見えてくる服だと思っています」

「僕は中学生の時に紫のスーツに金のブレスレットを付けて、(東急電鉄の)東横線でジャニーズのレッスンに通っていました(笑)。周囲はあれは失敗だったって言うけど、僕は今でも大成功だと思ってます。一世風靡セピアが人気の時代で、東京にかぶれたかった。今、プライベートでスーツを着る機会はめったにないですけど、食事会とか、今日はフォーマルにしておいた方がいいかな、という時にはスーツで行きます。相手が目上の方である時や、きちんとした格好が必要な場では失礼がないように、ネクタイを締めて」

株式会社TOKIOのホームページでは3人が無地のスーツをきりりと着こなす。新たな船出に臨む決意のほどがうかがえるようだ。

「目的は最初はぼんやりしていたんです。『○○をしたい会社』ということで登記をしたのではなく、屋号であるTOKIOを残すためにどうするか、ジャニーズに残るなら3人で会社を立ち上げてジャニーズとは違うラインのものを自分たちで作って行こうか、というところから始まった。『できること』を考えているうちに企業との業務提携やプロジェクトの話がきて、協業もありだねと考えるようになりました」